第260話 筋肉が…メキメキめもりある!?
「ちょっとお前! 答えを教えろ!」
「あっしにも答えがわからないでヤンスよう!」
いきなり抜き打ちでペーパーテスト! 途端にあっしらはピンチに陥ったでヤンス! あっしも学がない、ティンロン君はこっちの言葉に不慣れで問題の意味すら解読不能なトラブルが発生しててんやわんや! しまいにはカンニングを要求され、どうにもならなくなってきたでヤンス!
「うるさい! 科挙という物は不正行為を如何に自然にやり遂げるかにかかっているのだ! バレなければ官軍、負ければ賊軍、乱世とは常にそういうものなのだ!」
「なんか言ってることの意味がわかんないでヤンしゅ! なんで乱世の話が出てくるんでヤンしゅかぁ!!」
もうかんぜんにわけワカメ! カンニングの正当化に始まり、バレなければ無問題的な発想まで出てきたでヤンス! 試験官の姿が見えないとはいえ、こんな風にワチャワチャしてたら見つかってしまうでヤンス!
(デデーーーン!!!)
『タニシ、ティンロン、アウト!!!』
「なんだ、なんだ!? 何事だ!?」
「なんかアウト宣告を受けたでヤンス!!」
言わんこっちゃない! なんかワチャワチャしてたのが、バレてしまったみたいでヤンス! でも、教室を見渡しても試験官の姿は見えないでヤンス! どっかから魔法で監視してるのかもしれんでヤンスな。とか考えてたら、ゴリラ教員が複数で入ってきたでヤンス!
「うわーっ!? 何をする!? 離せ、離せぇ!!」
「ぎょ、ぎょわーーッ!? なんか捕まったでヤンス!!」
「なんか非モテがゴリラに捕まってる! 臭いのがいなくなるなら清々するけど。」
そんな冷たいでヤンしゅよ、ミャーコちゃん! あっしら二人は左右からそれぞれゴリラに掴まれ、身動きが取れない状態にされたでヤンしゅ! そのまま席から担ぎ出され、エッホエッホと教室外に運び出されてしまったでヤンス! これからお仕置きでもされそうでヤンスぅ!
「こ、ここは入学式の会場だった所でヤンス!」
「うむ? だが、あのときとは違い椅子とかの調度品が存在していない?」
連行された場所は入学式の会場だった、だだっ広い空間のある建物内でヤンした。内装は綺麗サッパリ片付けられ殺風景な板張りの空間に変わり果てているでヤンス! なんだか、兵隊とか騎士団とかの訓練所を思い起こさせるでヤンス!
「うふふ、あなた達、不正をしてしまいましたね?」
「あーーっ、その声はメリー校長先生!?」
ゴリラに担ぎ込まれた場所に意外な人物、校長先生が待ち受けていたでヤンしゅ! 全ては先生の指示だったでヤンっすか? これからこっぴどくお仕置きされたり、お説教されたりするんでヤンスかね? でも美人にならナニされても構わないでヤンス!
「あなた達にはタップリとお仕置きをしてあげましょう! その名も特別フルコース、地獄のメキメキトライアルを受けてもらいます!」
「メキメキ……なんか嫌な予感しかしないでヤンス!」
カンニングの罰として何か特別コースの授業を受けさせられるみたいでヤンしゅ! 名前からして、筋肉の気配しか感じないでヤンスよ! 体中がメキメキ言いそうな事を延々とやらないといけなくなるカモ……。
「ふふ、梁山泊での修練に比べたらどうだかな? やれるものならやってみてもらおうじゃないか?」
「あっしは耐えられる気がしないでヤンしゅ!」
そういえば、ティンロン君は梁山泊がどうとか言ってたのを思い出したでヤンス。アニキと同じところで修行した? 同じ釜の飯を食べた仲? ていうか妹のシャンリンちゃんやキツネのお面のお姐さんとも同じものを? 羨ましいでヤンス! (※何か勘違いをしておりますが、気にせず引き続きお楽しみ下さい。)
「まずは基本の腕立て1000回! それが準備運動の変わりである!」
「わぎゃあああっ!? いきなり無理難題が出てきたでヤンしゅ!」
「ふはは、良かろう、やってやる! そんなもの、簡単に熟してくれるわ!」
宣言と同時に無理やり体勢を腕立ての状態に持っていかれたでヤンス! その体勢で待つ間もなく強制的に開始させられたでヤンス! い〜ち、に〜い、さ〜ん! 、ダメでやんしゅう! このペースだと絶対に途中で意識が”LOST"してしまうでやんしゅよう!
「ふぎぎ! ふぐぎ! くぬぎ! くたらぎ!」
「どうした、クソ犬? その程度でへばるのか? 情けない奴め!」
ふうう! 文化系で草食系なあっしにはキツすぎるでヤンス! 愛用のフレイルより重いものを持ったことのないあっしには不必要なくらいのオーバーキル・トレーニングでヤンス! 途中で筋肉が崩壊して再起不能になるかもしれんでヤンしゅ!
「ふくぎ! ふーぎー! ちょうぎ! がくき! やりつあぼき!」
「ふん、意味不明な単語を口走りおって! 人の名前に聞こえてきたではないか!」
ひ、人の名前? しょんなわけないヤンス。あっしの筋肉の悲鳴があっしの口を伝って聞こえてるだけでヤンしゅ! 決して意識的に言ってはいないでヤンしゅよ! どんどん考える余裕すらなくなってきたでヤンスぅ!
「わるしゃわ! ふるしちょふ! ごるばちょふ! わんにゃんあぐだ!」
「もう、言葉にもなっておらんだろ! 貧弱な奴よ!」
「ごくとつこつ! しゅーごーりあん……もうダメポ……キュウ!?」
もう、もうダメでヤンしゅ! 腕が壊れたでヤンしゅよ! もうコレ以上はらめぇ! こんなにしてたら脳みそまで筋肉になってしまうでヤンス! きゅうぅ……、
 




