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【総合ページ】勇者参上!!~東方一の武芸の名門から破門された俺は西方で勇者になって究極奥義無双する!~  作者: Bonzaebon
はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【 第4章 沈黙の魔王と白い巨塔】 第1幕 異界塔士Ro・Ar
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第252話 幻想が崩壊してしまうだろぉ!!


「もういい! オレの名を呼ぶことは許さんからな! オレもお前の名前を言わんようにするから!」



 紛らわし……もとい発音が難しいばっかりに名前を呼ぶだけで卑猥な発言になってしまうので、”名前で呼ぶの禁止令”が発令されてしまったでヤンス! じゃあ、なんて呼べば? というか、あっしまで名前で呼ばれなくされてしまったでヤンス。とんだとばっちりでヤンしゅ!



「ということは、あっしはただの犬のままでヤンスか?」


「❍ン❍ンよりマシだろうが! オレの気持ちもわからんくせに!」


「ごめんなさイーヌ!」


「反省してないだろ! このクソ犬がぁ!」



 んもう、あっしなりの誠意を見せたつもりなのにぃ! イマイチ伝わらなかったでヤンス! もう、なんかこの人ずっと怒りっぱなしでヤンス。こんなやり取りをしてたら、敵地に侵入してきているということを忘れてしまいそうでヤンス。



「名前の話はコレくらいにしておいて、あっし達はこの場所の真相を探らないといけないでヤンスよ。」


「むむむ、確かに言われてみればそうである! 俺達だけでそれぞれ仲間とはぐれている。しかも服装が強制的に変更されてしまっている事もおかしい。オレらは何に巻き込まれたというのだ?」


「とにかく羊の魔王は頭がおかしいことで有名らしいでヤンス。この塔が現れた時に空から降ってきたこのメモ紙が最たる例でヤンス!」


「何? か、紙だと?」



 あれれ? なんかメモ紙の話をしたら急にソワソワし始めたでヤンス。犬の魔王さんの話では、塔におびき寄せるためのエサみたいな物らしいでヤンス。のこのこやってきた人を更に特有の罠に嵌めてコロコロするという恐ろしい罠なんでヤンス! なんかメモの内容が気になってしまうと、引きずり込まれ……あっ!



「ま、ま、ま、まさか! 罠に嵌められたのはコレのせいだというのか?」


「そ、そうみたいでヤンスよ。間違いなく、その内容が反映されて、叶えることが出来ずに悔しがりながら息絶えることになるそうでヤンス!」


「い、いやだ! 叶えられないなんて嫌だ! 叶えられないなんて認められるものか!」


「な、何が書いてあったんでヤンスか?」


「見せられるものか! こんな個人的な願望が顕になった物を見せられるものか! 断るっ!!」


「うーん、まあ、あっしも他人には見せたくない内容でヤンスな。」



 ちなみにあっしのメモの内容は、「あなたに朗報です! 白い巨塔の頂上に来て願掛けをすれば、必ず好きな人に思いが通じます! 先着順ですのでお早めに!!」と書かれてたでヤンス。見た瞬間に塔に向かって駆け出したら、犬の魔王さんに片手で掴まれて阻止されてしまったでヤンスよ。罠だから止めとけって、咎められたでヤンしゅ……。



「ほほう? お前も決して人には見せられない内容の様だな? そうだ、取り引きといこうじゃないか? 互いに見せ合うというのであれば、見せてやらなくもない。どうだ?」


「うう、そこまで言うんなら……。」



 取り引きを持ちかけられたでヤンス! 互いに恥ずかしい物を見せ合うなら恥ずかしさは半減するかもしれないでヤンしゅ。なんかパンツとか❍ン❍ンを見せ合って仲良くなるようなもんでヤンしゅな。一か八か……。



「ムムム……。」


「わっふーん?」



 お互いに交換して見てみたら、同じように黙り込んでしまったでヤンス。こ、これは……、



『いや、ないない、絶対にない!』



 全く同じタイミングで同じ単語を発してしまったヤンス! だって……塔のテッペンで待ってます、ってありえないでヤンス! しかも天使! 魔王がやってるだけに正に悪魔の囁きそのものでヤンスぅ!



「なにが”ない”だ! 失礼な奴め! お前の方こそ絶対”ない”わ! 犬のくせに!」


「あーっ! ヒドイでヤンス! あっしは実在の人物に思いを寄せてるでヤンすけど、あんたのは正体不明の人物でヤンス! 叶うわけないでヤンしゅ!!」


「んなことはない! 絶対にいるから! オレの守護天使的な存在が! 今でも見守ってくれているに違いないのだ!」


「ありえないでヤンス! その正体が羊の魔王なんでヤンしゅよ! 見守られてるんじゃなくて、見張られて監視されてるんでヤンス!」


「ああーっ、言うなーっ! |幻想が崩壊してしまうだろぉ《ファイナル・ファンタジー》!!」



 なんか頭を抱えて奇声を上げ始めたでヤンしゅ! 一体どれだけの幻想を抱いていたんでヤンしゅかね? あっしと同じで非モテをこじらせすぎて頭がおかしくなってしまったのかもしれないでヤンしゅな。



「まだだ、まだ終わらんよ! まだ見に行っていないのに諦めるのは早い! ならば実際に見に行って確かめればいいじゃないか!!」



 そう言って❍ンロン君は遠くにある塔を指差したでヤンス! あんな所に塔が? なんか形が違うけど、塔であることは違いないでヤンス。違うのは空高く聳えていてテッペンが見えないこと。そして、一番下の階が何らかの施設みたいになってることでヤンス。なんか学校みたいな? アレは何なんでヤンしゅかねぇ?

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