ああ、くさぁ~~!
「まったく!なんで店に入っただけで、追い出されそうになるんだ?」
高級店に入った途端、つまみ出されそうになった。納得がいかない。ただ、サヨちゃんとエルちゃんと合流したいだけだったのに。
「当然じゃ。そなたのような芋臭い奴など門前払いじゃ。身の程を弁えい!」
「臭くねえよ!臭くないだろ!」
臭いとは何事だ!しかも芋臭いってなんだ!そんなに芋なんか食ってねえよ!確かに旅して来たから臭くなってるかもしれないが、そこまで臭くなってないぞ!
「匂いの問題ではないわ!このたわけ!……やはり、そなたを同行させなかったのは正解じゃったな。」
「正解ぃ!?」
チクショー!俺だけ仲間はずれにしたのが正解だっただとう!
「それよりも、早くそれをよこさぬか。」
俺がテイクアウトしてきたガツ丼を催促してきた。そんな態度を取るんなら、俺にも考えがあるぞ。
「ええー?俺を仲間はずれにした人に渡したくないなぁ?」
「ぐぬぬ!」
「うふふ。二人とも仲いいんですね?」
エルちゃんは俺たちを見て楽しそうにしていた。
「ええ~?良くないよ!」
俺とサヨちゃんは同時に反論していた。まさか同じ事を言うとは思ってなかった。
「まるで姉弟みたいです。うらやましいです!」
「姉弟?いやいや、ババアと孫の間違いじゃないの?」
「誰がババアじゃ!」
話に気を取られていて気付くのが遅れてしまったが、もう既に日が暮れかかっている。
「なあ、そろそろ宿を探した方がいいんじゃないの?」
「話を逸らしおって!……仕方ない。では、行くぞ!」
俺たちは宿を探すために歩き始めた。