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【総合ページ】勇者参上!!~東方一の武芸の名門から破門された俺は西方で勇者になって究極奥義無双する!~  作者: Bonzaebon
はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【 第4章 沈黙の魔王と白い巨塔】 第1幕 異界塔士Ro・Ar
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第240話 その名を口にしてはいけない!(猥褻的な意味で)


「武器治してやるって言ってんのに、どこ行ってやがったんだ、ゴルァ!!」


「いや、えと、それは、ちょっと用事があって……、」



 休憩するためクルセイダーズの支所に戻ってきた。今は”魔王ハリス対策本部”が設置され、様々な人間がこの場所に集っていた。クルセイダーズ関係者に限らず、俺達勇者一行やその知り合い連中もここに集結していた。当然ミヤコもいるし梁山泊の連中もここにいるわけだが……。



「ウチの要件をすっぽかしてまで優先するようなコトなのか? 言ってみろ、ゴルァ!!」


「いや、でも、ある意味梁山泊の未来もかかっているとも言えるワケでして……。」


「見せな。お前、どうせ魔王のあやしい詐欺広告に騙されたんだろ? それを信じてウカツに飛び出して行ったんだろ? 見・せ・て・み・な?」


「ぎ、ギクゥー!! 持ってませんよ、そんな物は!」


「あやしい。」



 ティンロンは眼鏡を探し当てた後、そそくさと街に戻っていったワケだが、ミヤコに見つかってこの場所に連行されてきたようだ。今日のヤツは戟覇と一緒に武器の修復をしてもらう予定だったのだ。塔出現騒動が起きるまでは武器修復は後回しにされ、眼鏡だけ治してもらってあったらしい。その恩を忘れ、ひょこひょこ出ていったのが運の尽きだったというわけだ。



「オイ、ちょっとその場でジャンプしてみろ!」


「は? 何でですか?」


「ジャンプしろって言ってんだろうが、あぁん?」


「ひ、ひー!! 言う通りに致しますぅ!!」



 なんか、こういうやり取りどっかで見た覚えが……。って思い出した! チンピラが一般人にカツアゲをするときにやるヤツだ! 金がないと言ったらするヤツ! ジャンプさせて硬貨所持の有無を判定する方法! でも今回はメモを提出させようとしているワケだが硬貨はあるんだろうか? 脅されたティンロンは一回だけ跳んだ。当然、何も起きない。



「こ、これでいいっすか?」


「あん? 誰が一回でいいって言った? 出てくるまで何回もやれ!」


「ひぃぃ!! わかりました! 足が折れ、膝が砕けるまで続ける所望であります!」



 当然こうなるわけだが、随分と強引なやり方だな。強制的にボディチェックしてしまえば事足りるはずだが……? ある意味これは罰ゲームも兼ねているのかもしれない。何回もやれば紙切れがひらっと落ちてくるかもしれない。



(……ハラっ!!)


「……あっ!?」


「おやおや、やっとしっぽが出たようだな。どれどれ……。」



 とうとう、あの怪文書がヤツの懐からこぼれ落ちてしまった! ミヤコは迅速にそのメモを拾い上げ、内容を確認し始めた。次第に体が震え始め、顔が真っ赤になっていく! いかん! このままでは大爆発するぞ! アイツの怒りが!



「コレはなんだ? お前はコレを信じたのか?」


「いや、信じるも何も、誠心誠意込められた、オレへの恋文だと存じますが、何か問題でも?」


「この……塩ブタ野郎がぁ!!!!」


(ボグシャアッ!!!!!!!)


「べぷぅっ!!??」



 ティンロンは顔面に鉄拳制裁を喰らいながら吹き飛び壁に激突した。そして、再び破損した眼鏡。なんちゅう威力だ! 明らかに素人離れした一撃である。はたして本当に怒りが頂点に達したくらいでこんな威力になるんだろうか?



「この軟弱モンがぁ! お前如きが見ていい夢じゃないんだよ!」


「いいじゃないっすかぁ! オレだって信じたいんすよ! オレだって将来の嫁を探しとかないと梁山泊が存続の危機に陥るんで!!」


「こんな現実と空想の区別も出来ないやつが未来なんて担えるかぁ! 現実を見ろ、ゴルァ!!」


「そんなコト言われても! 眼鏡壊れたんで、未来どころか目の前もよく見えないぃぃ!!」


「人のせいにするなぁ! お前、そんな他責思考だから前に進めねぇんだよ! 自己責任で歯ぁ食いしばって生きろ、ゴルァ!」



 非モテ男に突き付けられる現実は過酷だった。夢見がちな幻想を力づくで叩き壊される。たとえ僅かな生きる望みであっても、容赦なく蹂躙されるのだ。現実の女はとにかく容赦ないのだ。



「お前、今日から粗❍ィンな!」


「ええっ!? そんな殺生な! あんまりっすよ!」


「じゃあ、ティン・❍ス。どっちかを選べ!!」


「ええぇ!? それもやばいっすよ! むしろそれの方が大問題に発展するぅ!!」


「あぁ? 文句言うな! 大体、お前の名前、公然わいせつそのものじゃないか! なんだよ、❍ィンロンって! そんな読み、名前に持ってくるヤツの頭の中身見てみたいわ!」


「ああぁ!? 名前が全否定されているぅ! しかも父上にまで悪口を……。しょうがないっすよ、言語が違うからそいういうのは避けて通れない話なんですってば!!」


「いっそのこと❍ィン・❍ィンにしてしまえ! その方がせいせいするわ! そして教団に公然わいせつの罪でしょっぴかれてしまえ!!」


「い、嫌だ! そんな名前にしたら梁山泊に帰れなくなる! 一生おムコに行けなくなるぅ〜!」



 おいおい、婿に行ったら梁山泊継げなくなるだろうが……。それはさておき、とうとう、ヤツの名前の発音がアレに似ている問題が発覚してしまったようだ。しかも、本人もそれに恥じないくらいのダメ人間っぷりを発揮しているっていうのがもうね……。

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