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そして、差した光明、勝利への確信。

 サヨちゃんに時間稼ぎをして貰っている間、俺は毒霧のダメージを回復して貰っていた。力尽きて倒れたはずのクロエに、だ。治療魔法を使えてているとはいえ、相当無理をしていそうなのは目に見えてわかっていた。



「クロエさん、もういいよ。じゃないとあんたがもたない。」


「ワタクシを…見くびらないで、欲しい…ですわね。これくらいの修羅場は…いくらでも経験し…ています。」



 言葉が途切れ途切れになるほど、疲労している。にもかかわらず、治療をやめようとしない。さすがに気丈にも程があると思った。



「彼女の心意気を汲んでやってくれないか。現状では、貴公と賢者殿に託すしかないのだ。力の及ばぬ我々に変わって事を成し遂げて欲しい。」



 そう言う彼も重傷を負っている。生きているのが不思議なぐらいだ。ウネグやジェイも体にダメージが残っているようだ。やはり、みんなには休んでおいてもらおう。



「先程の口ぶりからすると、貴公には何か策があるようだが、一体何をするのだ?私には皆目見当が付かない。」


「試してみたいことがあるんだ。あの子を斬るんじゃなくて、デーモン・コアを斬ってみようと思う。」


「そんなことが可能なのか?体のどこにあるのかわからない物を?……いや、例えわかったとしても、完全に彼女の魂と融合しまった以上、引き剥がすことはできない。」



 普通の技術、剣術、魔法では無理だろう。ただ一つ、あの技ならできるかもしれない。不死身と言われたヴァル・ムングの体さえ斬ったのだ。あの技の可能性にかけてみたい。



「たぶん、できる。やろうとしてることは超人絶技みたいなもんだけど。今までできなかったことだとしても、今、できるようにすればいい。彼女に約束したんだ。やってみせる!」



 決意は揺らがない。ここでやめたら、エルちゃんだけじゃなく、この人たちも助からない。サヨちゃんは……実力的に死なないだろうけど、悲しませたくない。



「終わり……ましたわ。……ご武運を……。」



 彼女はそう言って、そのまま、力なく倒れ込んだ。



「ありがとう。クロエさん。じゃあ、行ってくる。」


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