お前!邪魔!!
「ちょイと、勇者サん?」
後ろから急に声がした。振り向くと、あの屍霊術師がいた。
「大変、不本意な結果トなりまシたが、仕方がアりません。もう一つノ目的を果たさせて貰いまス。」
屍霊術師に注意を向けつつ、周囲の状況を確認するが、サヨちゃんと魔女の姿が見当たらなかった。どこかで交戦しているのだろうか?
「聞いてマすか?勇者さン?アナタに復讐しなけれバいけマせん。」
復讐?一体何を言ってるんだ?こんなヤツに恨まれる筋合いはない。
「アナタはトマホークを倒シた事をお忘レですかぁ?例え、アナタが忘れたとしてモ、ワタシはぜえーったいニ忘れたりハしませン。」
トマホーク?まさか、あの大斧を持った死体戦士のことだろうか?あの死体そのものに恨まれることはあるかもしれないが、それを弄んでいるようなヤツには言われたくはない。コイツの方がよっぽど後ろめたい事をしてるじゃないか!
「アナタは一体何ヲしたというのデす?彼の体が元通りニなりませンでしタ。」
「何って、奥義を使ったのさ。あの奥義をくらったらただでは済まないぜ?例え再生能力を持っていたとしても、不死身の肉体だろうと関係なしに破壊できるんだ。あんたらのボスだって倒せるぐらいだからな。」
「なナなんと!その様な技が!いったい、ドういう……、イヤイヤイヤ、いけナい、いケない!危うく興味を持ちソうになってしまイましたヨ!それよりモ、敵討ち、仇討ちでスよ!」
俺の技に興味を持つとは。魔術師というのは好奇心旺盛なのだろうか?そんなことはどうでもいいが、コイツにつけいる隙があるとすればこういうところだろうな。
「さア!気を取り直しテ、ジャベリン!スコーピオ!」
この前と同じように、地面に魔方陣が出現し、その中から槍を持ったガイコツ騎士と暗殺者風の死体戦士が現れた。まずはこいつらを相手にしないといけないのか。この前のヤツと強さが同じぐらいなら、二体同時に相手するのは不利になってしまう。
「お前らなんか相手にしてる暇はないんだ!さっさとどいてもらうぜ!」