隠し通路を探せ!
「……あのさ?思ったんだけど、これからどうしようか?」
一晩、そのまま野宿し、夜が明けたものの、途方に暮れるハメになった。無計画……逃げようとして落ちただけなので、当然なんだけどな。
「とりあえず、この山の中から出た方がいいんじゃないでしょうか?」
「う~む、そうだな、食料的な問題もあるし……。」
昨日、あの変な木の実以降、何も口にしてない。苦いだけだったので、たとえ一個でも食べきるのは苦労した。以外と空腹になってなかったり、気分も悪くならなかったので毒があるわけではなかったのだろう。……とはいえ、あまり自分から積極的に食べたくなる物ではない。ていうかイヤ。何の罰ゲームだ。
「それに、ずっとここにいるとどうなるのかは、この人が証明している。」
と、エルちゃんが使役している見張りガイコツさんを指差す。早くしないと、この人と同じ運命を辿ることになる。
「この人、餓死したんじゃなくて、怪我して動けなくなって亡くなったみたいですよ。」
「え?何?そんなこともわかるの?」
「ええ。ちょっとだけですけど。」
死体からそんな情報も引き出せるとは。これなら、未解決事件も色々解決出来るのではないのか。探偵事務所でも経営すれば大成功するんではなかろうか。……いや、でも無理か。屍霊術自体禁止されてるから、捕まってしまうか。
「上の方に上がる方法を探さないとな。」
落ちてきた付近の崖下は川になっているし、例えそうじゃなかったとしても、崖である。超急斜面。上れそうにない。プロじゃないと無理だろうし、それ用の道具一式もない。……無理だ。
「砦の隠し通路を探すのはどうでしょう?」
「隠し通路?」
「古くて有名な砦みたいですし、脱出用の通路があるかもしれません。私が隠れていた地下室につながっている場所があるかも。」
「なるほど!」
ああ、そうか!それがあるかもしれないな。賢いな、この子。俺一人だったら、ひたすら上ることだけしか考えなかっただろう。
「そうと決まれば、早速探索だ!」
行くぞ、探すぞ、エイエイオー!