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第215話 驚き、桃の木、ヤンしょの木!


「あうわうぁっ!? エレベーターがなかなか戻ってこないでヤンス!」


「おち、おちち、落ち着いて下さい!」


「お前ら、焦ってんじゃねえよ! 余計、焦るだろうが!」


「今さら逃げようとしてもダメダ! 爆発までのカウント開始! 10、9、8……、」



 もうダメヤンス! 絶体絶命でヤンスぅ! カウントがゼロになる前にストレスで死にそうでヤンしゅう!



「……5、4、3……、」


「グパァッ!!」



 あれ? 何かミミックが口を大きく開けたでヤンス。酸を吐いてから沈黙してたでヤンすけど、大ピンチの状況で何をするんでヤンしょ?



「ガウッ!」


(ガボッ!!)


「カウント中に何を!? 今さら悪あがきをしてもダメダ! 爆発をしようとしてもダ……、」



 胸の光る石に噛み付いた! と同時にゴーレムオジサンの声が止まったでヤンス! 声どころか糸が切れた操り人形みたいにクタッと倒れたでヤンス! ミミックはそこから急いで離れて、あっし達がいる方向とは逆に走っていったでヤンス。



(ボゴァァァァァン!!!!!)



 ミミックの所から大きな爆音が聞こえたでヤンス! まさか、光る石がミミックの中で爆発したでヤンスかな? でも、それじゃあ、ミミックは……。



「あのミミック俺らを庇って爆発を最小限に食い止めやがったのか?」


「僕らとは縁がないはずなのにどうしてここまで……?」


「ミミック君、あっしらは君の犠牲を無駄にしないでヤンス! ミミック君に敬礼!」


「おいおい! 死んだことにしてやるなよ! まだ生きてるぞ!」



 いきなり聞き覚えのある声が聞こえてきたでヤンス! まさかのあの人物! ミミック君と同じくらい生存確率が低そうだったのに?



「おうわぁっ!? ゆ、ゆ、幽霊が出たでヤンス! アニキが化けて出たヤンしゅう! 幽霊同士だからミミック君が死んでないと思ってるでヤンしゅ!」



 ミミック君の側から急に現れたでヤンス! 後ろにはハゲのオッサンまで引き連れてるでヤンス! どうせ、このダンジョンの犠牲者の地縛霊に違いないヤンしゅう!



「誰が死んでるって?」


「おうわおぁっ!!?? 出た出たお化けヤンヤンしゅうっ!?」



 アニキが目の前に! 驚き、桃の木、ヤンしょの木でヤンしゅ! 驚いた勢いで腰が抜けてスッ転んだでヤンしゅう!



「ロアさん! 無事だったんですね!」


「生きて戻ってきたのか? てことは銀面野郎は倒したのか?」


「倒してないが、ヤツは尻尾を巻いて逃げてったよ。負け惜しみが物凄かったぜ? なんかイキり倒してたし! 見せてやりたかったよ。何か情けなかったぞ。」



 銀仮面さんが敗北? 尻尾もないのに巻いて逃げ? 意味わかヤンしゅう! 



「それよりも、何でトープス先生がここに?」


「先生のことは知ってるのか? 俺らの事を助けに来てくれたんだよ。銀仮面とそこのゴーレムを倒しに来たんだとよ。ミミックも先生の知り合いだそうだ。」


「あの掃除屋も警戒しなければいけなかった故、あちらのゴーレムを監視・対応してもらっていたのだ。」



 ミミック君が監視役? トラップどころかトラップを取り締まる役だったでヤンスか? なんかミイラ取りのミイラみたいでヤンしゅ!



「銀面野郎とダメオジゴーレムを警戒・監視ってか? むしろアンタはどうなんだ、トープス先生? 自作自演だったりしねえだろうな?」


「それは……、」


「トニヤ、お前は誤解している。お前はある意味ダマされてたんだ。」


「誰にだよ!」



 突然、兄貴達とトニヤ君が険悪な雰囲気になってしまったでヤンス! 銀仮面とかゴーレムとかダマされてた、とか話が理解できないヤンス! あっしの知らないところで色々陰謀が渦巻いてヤンしたのか?



「お前、頭いいから、薄々気付き始めてるんじゃないか? 銀仮面の正体に。」


「うるせえ、黙れ!」


「ヤツはお前を襲って監禁した上で、お前に化けて俺らの前に現れた。他の誰でも良かったにも関わらずだ。お前を監禁するのに都合がいいのは……、」


「黙れって言ってんだよ!」



 あっしには全く話が見えてこないでヤンス。アニキは銀仮面の正体に気付いているでヤンしゅかね? コレは名探偵タニヤンでもわからない話でヤンス! あっしが主人公だと色々迷宮入りしそうでヤンしゅけど。

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