第211話 ダメダ・オジサンVSダメなおじさん
「私から逃げられると思っているようではダメダ! キッチリお代を払わなくてはダメダ!」
「ひーーーっ!?」
ラスボス様は既に死んでいた! 暇を持て余したダメダオジサンによってひっそりと息を引き取らされていた模様! 今度はあっしらの番! ダンジョンの裏ボスはダメダ・オジサンだったのでヤンス!
「ど、ど、ど、どうしヤンス? 今度は本当に逃げ場がないでヤンス!」
「戦うしかないのでは? おじさんは謝っても許してもらえるとは思えません!」
「いや、もう、これは爆破以外にないッスよ!」
この際、爆破でもなんでもいいでヤンス! 倒さないと生き残れないでやんすよ! あっ!? そんなことを言ってる間に、オジサンがゆっくり近付きながら、魔法か何かの溜めを作っているでヤンス!
「ジェット・ストリーム・コラップス……略して、ジェ・リ・コーっ!!!」
「撃ってきたでヤンスぅ!」
「空圧による攻撃魔術です! 伏せて下さい!」
「ばぁぁぁく、はーーつ!!!!」
細く絞った気流がこっちに向かって放たれた! 防げるわけないので、ジム君の言うとおり地面に倒れ込んで難を逃れたでヤンス! と同時にゴリラが叫んでいるでヤンス!
「おっほぅ!? 私の魔術を相殺するとはなかなかやりますね! アナタ達を見くびっていたのはダメダった!」
「オッサンはダンジョンもろとも爆破してやるぜぇ!!」
なんかゴリラがやる気を出し始めたでヤンス。さっきまで珍しくあっしらと逃げ回っていると思ったら……、いや、アレはまだ残り物にガッツいていたからでヤンスな。あのゴリラも爆発より食べ物を優先してたんでヤンしょ。爆破するって聞かなくなったら、食べ物を差し出せば一時しのぎ出来るかもしれないヤンス。
「意外とやりますねぇ! デモ、攻撃の大半が力任せの大振りばかりなのはダメダぁ!」
「ダメダとかいってるクセに防御一辺倒になってんぜ、オラァ!」
「凄い! ゲイリーさん、ほとんど互角に戦ってますよ!」
ゲイリーは得意の大剣を振り回して、オジサンと戦っているヤンス! 大振りの重たい攻撃ばかりでヤンスのに、オジサンは食事用のナイフ一本で受け流しているヤンス! 互角どころじゃなくて、オジサンに遊ばれているでヤンス!
「爆! 竹撃!!」
「カット&パンクチャリング、略してカツ・パン!!!」
(ボガァーーーーーン!!!!!)
とうとうゴリラ得意の爆破がオジサンに炸裂したでヤンス! あんな距離で喰らったら……って、逆にゴリラが吹き飛ばされたでヤンス!
「そんな見え見えの攻撃をそのまま放ってくるのはダメダぁ! この私に単純な攻撃が通用すると思っていてはダメダ!」
おうあっ! ゴリラがあっさりやられたでヤンス! もう為す術なし! もうだめぽ……?
「ガンス、ガンス、ガンスでガンスぅ~♪ ダメなおじさんが帰ってきたよぉ~♪」
例のエレベーターからオジサンが出てきたでヤンス! しかも、踊るミミックと軽快にダンスしながら、躍り出てきたでヤンスぅ!
「ムム、やはり生きていましたか! リアルな死んだふりにダマされているようでは、私もダメダ!」
あーっ! おかしいと思ったら、タガメおじさんは死んだフリしてオジサンをやり過ごしていたんでヤンスな! ヒドいでヤンス!
「やれやれ、犬のオッサンがダンジョンにいると思ったら、こんな見え透いた罠に引っかかってやがったのか!」
エレベーターからトニヤ君が出てきたでヤンス! アレは本物? さっきの銀仮面ではないでヤンスな?
「ほ、本物のトニヤ君でヤンしゅか?」
「もちろん本物だ! 俺を嵌めやがった銀ピカ野郎はどこ行った?」
「今頃、アニキと決闘中でヤンス!」
「マジかよ! そんな事のために俺はダシに使われたのか!」
トニヤ君はちょっとやつれている様子でヤンス。銀仮面に監禁でもされてたんでヤンスかね? それはともかく無事だったのは良かったでヤンス。
「今度こそ決着を付けてやるでガンス! アッシの恐ろしさを思い知らせてヤルでガンス!」
死んだふりでやり過ごしたクセにおじさんは何故かやる気でヤンス。期待はせずに時間稼ぎしてもらって、トニヤ君、ジム君と作戦会議するでヤンス。




