表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
552/1131

第210話 破壊VS無効化


「ギロチン・バースト!!」


(ザンッ!!)



 逃げ回りながら、銀仮面の攻撃を躱し続ける。通常の点による攻撃となぎ払う攻撃を織り交ぜながら、俺を執拗に追い詰めてくる。今度は縦方向になぎ払う攻撃だ!



「逃げ回ってばかりだな! 防戦一方では決着が付かんぞ!」


「余計なお世話だっ!」



 戦いはずっと一方的な展開だった。相変わらず銀仮面の攻撃を凌ぐ手段は思いついていない。あのなぎ払う攻撃もあるせいで余計に困難になってしまった。



「勝敗を決する条件を加えようか? お前が降参するという条件を。」


「でも、そうなったら、なんらかのペナルティを課してきたりするんだろ?」


「もちろん。」



 そんな条件を加えてくるとは。相手もそろそろ飽きて来やがったんだろう。あまりにも俺が抵抗をしないので、早く決着を付けたがってるのかもしれない。それなら、こちらも付き合ってやるとするか。



「……?」



 早速、行動に移した。それと同時にヤツの動きも止まった。ヤツが俺の居所を探る方法、それの裏を突く手段を試した。ヤツは戸惑っているようだが、俺の居所の痕跡が完全に消失したと思っているかもしれない。もちろんそれは、俺の推理が当たっていればの話だが。



「何をした? 今さら小細工をしたところでお前に勝ち目があるとは思えない。無駄な抵抗はよせ。」



 変化に気付いている。やっぱりヤツからは俺は消えたように思っているんだろうな? そうとわかれば、一気に決める! ヤツの気配は手に取るようにわかるので、一思いにヤツの眼前まで躍り出る。



「ムッ!? そんなところにいたのか! そのまま隠れていれば、わからなかったものを。わざわざ負けに来るとは!」


「早期決着がお望みだったんだろう? その望み叶えてやるんだよ!」



 銀仮面に向かって走る。その間にヤツはエベリオンを構えて、破壊術を撃ってくる。来るのはわかっているので、無効化しながら前に進む。



破壊(デストラクション)!! 破壊(デストラクション)!! 破壊(デストラクション)!!」


「無効!! 無効!! 無効!!」



 後、二、三歩で届くところまで来た。その状態であの攻撃が来た。



「ギロチン・バースト!!」



 横薙ぎの攻撃! 俺は無効化せずにスライディングをしながら躱した。相手の意表を突きたかったからだ。



「クッ!? そううまく逃れられると思うな!」



 なぎ払いの後、素早く切り返し、目前に迫った俺にエベリオンを突き付けてきた。これは無効化が間に合わない。でも、撃たせない!



「これならどうだ!」


「なっ!? どういうつもりだ!」



 突き付けられたエベリオンを逆に俺の胸に当てさせた。普通に考えたら絶体絶命だが、ヤツは撃たなかった。いや、撃てないんだ。



「撃てないんだろ? この状態で撃っちまったら、俺は確実に死ぬ。でも、殺したら計画は台無しになる。そうだろ?」


「だったら、お望み通り撃ってみせるさ!」


「峨嶺辿征!!」


(ボンッ!!!!)



 撃つ前に俺の技が発動し、エベリオンに亀裂が入った。魔法無効化で壊れたのだ。これも俺の予想通りだった。



「クッ!? 私のエヴェリオンが!?」


「おかしいと思ったんだよ。強い魔法を即座に撃って、連射も出来るのは何か秘密があると思ってたんだよ。連射式の弩みたいに予備の玉をコレに詰めてあるんだろ? だから、これに対して無効化を使えばそれも消滅する、それで合ってるよな?」


「おのれ! 気付いていたのか! 魔力喪失といい、小細工を使いおって!」


「剣も武術も禁止されてるんだから、こういう戦い方しか出来ないだろ? それに、ヤッパリその鎧、相手の魔力を感知して居場所を特定できるんだな?」


「気付いたからといって、探知不能に出来るはずはない! 魔力が全く無い状態など人間に出来るものか! 魔力が0なのは死体でない限りありえんのだ!」



 ありえないのか? そのありえない人間が目の前にいるんですけどね? 俺って実は死体だった? んな、アホな!



「魔力を0にする方法、それは……魔法無効化を空打ち連発してたからだ!」


「バカな! そんな馬鹿げた方法に私は騙されたのか!」


「バカげた方法で悪かったな! でも、お前はそのバカに負けたんだよ!」


「おのれ! 認めんぞ!」


「往生際が悪いぞ!」



 とりあえず勝った。倒してはいないが、エベリオンを壊して使用不能にしたから勝ちのはず。でも、銀仮面は納得がいってないようだ。困ったヤツだな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ