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謎の変態さん

「全く、困ったモンです。」



 自分の目的を阻害されたことを根に持っていた。「すぐに見たい、すぐにやりたい、すぐに確かめたい」の三原則をモットーに生きている自身にとって、それを阻害されることは耐えがたい苦痛であった。



「確かに、あのお方が行方不明になっていルのは一大事デしょう。しかし、私の研究は全てに優先されるベキなのでス。」



 自分の研究には自信がある。研究の結果如何によっては、世界の常識が変わるかもしれない。人類の未来を変えるかもしれない!自分はそれだけの自負を持っている。



「どうも、あの人にハ調子を狂わされまスねえ。あのお方、そして我々の組織には多大なル貢献をもたらしたこトはわかっていまス。」



 同じ組織の幹部とはいえ、考え方も方針も違う。そんなことは十分承知している。とはいえ、他人の目的を阻害するのは如何なものか?



「しかぁ~シ、私も私で一大事に見舞われテいるのでス。」



 そう、自分の研究対象たる、「被験者4号」が逃亡したのだ!早く確保せねば、例の偽善者集団に抹殺されてしまう。それだけは避けたかった。貴重な研究対象を失ってしまう訳にはいかなかった。



「それにあのお方ガ倒されるはズがないんでス。あのお方は全知全能……イヤ、頭脳においてハ私の方が優れてイますが、私が認めたお方なのデす。何かの間違いデしょう。そうニ違いアりません!」



 あのお方を信じている。私の計算では誰にも倒されるはずがないのは証明済み。真偽不明の情報など当てにならない!



「だかラこそ、私は4号の捜索に注力すべきなノです。」



 急がねばならなかった、あの砦に。潜伏先は突き止めていた。状況的、心理的に見てもあの場所以外には考えられなかった。下手をすれば、偽善者集団にも嗅ぎつけているかもしれなかった。



「待っテいなさい!被験者4号!今すグにいきますカら!」


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