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黒いシミが付いて、む・せ・る!!

「ぶへっ、ぶはっ、ぶほっ!」



 俺は盛大に噎せ込んでいた。仕事の前に喉を潤そうとしていたら、黒い軍団、黒い人のお友達一行がやってきた。そのメンツのキャラの濃さったら、もう、ね?



「ワタクシの名前は、クロエ・ヴァンキッシュと申します。以後、お見知りおきを。」


「どうも、勇者です。よろしくお願いします。」



 めちゃくちゃ美人な神官さんだ。長い金髪が黒衣との絶妙なコントラストを醸し出している。物言いは穏やかだが、何か冷たい雰囲気を持っている。この人はまだ良い。他のは……、



「俺はウネグだ。ヨロシクゥ!……オイ、テメエか!勇者ってのは?ヘマこきやがったら、承知しねえぞ、素人勇者!」


「お、お手柔らかにお願いします。」



 癖がすごい。めっちゃ俺のこと、ガン付けてくる。チンピラみたいだ。服装と顔つきからすると遊牧民出身の射手のようだ。俺の故郷の北方に住む彼らは、時折、ちょっかいを出してきているので正直あんまり、良いイメージはない。おそらくむこうの方も同じ感情を持ってるかもしれない。初対面でガン付けてくるのはそのためかも。



「ワタシ、ジェイ・ワイルドワンといいますニャ。よろしくですニャ!」


「よろしくお願いしますニャ!」



 ついつい、つられて同じ口調になっちまった。



「そなたまでそんな口調になってどうするのじゃ!たわけ!」



 猫?猫人間なんて初めて見た。何、この人?いや猫?どっちなんだ。なんかもうわけがわからなくなってきた。



「以上が今回参加する、私の部下たちだ。彼らはそれぞれ、神聖魔法、狙撃、格闘戦のスペシャリストだ。」


「は、幅広い人材がお揃いのようで?」



 こんな濃イイメンバーなら、俺は必要ないんじゃ?



「フム、魔術師である妾と勇者である此奴を加えれば申し分ない顔ぶれになるな。」


「申し分ないだぁ?たった一人を除けばの間違いだろう?」



 遊牧民からひたすら、ガン付けられている。もう完全にロックオンされている。

 さすがスナイパー。



「なんじゃ、そなた?文句でもあるのか?」


「アリアリ、だねぇ!」


「もう良い、今はそれぐらいにしておけ、ウネグ。どのみち、任務に入ればわかることだ。」


「そなた、ロアのことを試すつもりなのだな!」


「否定はしない。私はただ、この目で確かめないと気が済まない性分でね。」


「全く、喰えぬヤツじゃのう!」



 めちゃくちゃ、ギスギスした状態で始まってしまった。はたして、俺は生き残ることが出来るんだろうか。


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