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フル・バースト!

 お盆期間中は毎日一話ずつ更新します。

 詳しくは活動報告をご覧下さい。

「それでは開始して頂きましょう!試合開始!」



 試合前のパフォーマンスが終わったところで試合が始まった。待ち望んだぜ、この瞬間を!



「オイ、わかってるだろうな。それぞれ一対一に持ち込むんだ。」


「ああ。わかってるさ。」



 俺ら二人はそれぞれ一対一に持ち込む事を決めていた。有利不利というのもあるが、どうやら、ファルはジュリアには因縁があるらしい。クルセイダーズ入団の同期ということで色々あったようだ。侍の件といい、メンドくさい奴だ。



「まずはあの盾がどんなモンか試してみるか!」



 ジュリアはファルにまかせて、俺はガンツと戦う。あの無敵の盾と戦えばなにかつかめそうな気がしたから、ファルの作戦を承諾したんだ。



「僕の相手をするのは君なのか!」


「そうともよ!遠慮なくこちらから行くぜ。手始めに……破竹撃!」



 最初はシンプルにこの技だ。相手が避ける可能性もないし、盾に対抗するのにはもってこいの技だからだ。普通の盾なら真っ二つに出来る。普通ならば……。



(ガギョ!)



 盾に当たった瞬間、妙な感触がした。おとといの試合を見たときにも感じた違和感。やっぱり実際に自分がやってみても同じだった。



「フル・バースト!」


(バイィィン!!)



 攻撃に対しての反射が来る!剣に衝撃が伝わってきた。そのうち返すかのような衝撃に思わず、剣を持った腕ごとはじかれた。その慣性で体も後ろに仰け反りそうになった。



「うわっと…と、と!」



 なんとか持ちこたえる。いや、逆に持ちこたえられるだけの力で攻撃をしたんだ。反射が来るのはわかっていたから。あえて反射がどういう物か見るために寸止めの攻撃をした。



「すごいな、一度見ただけで僕の防御術を見切っていたのか?さすがは勇者だ!」


「まだ見切ってないよ。だいたいどうなるのかがわかっていただけさ。」



 ハッキリ言って対処法がまだ見つかっていない。それを探るために寸止めで様子を見た。さすがに一回だけではわからない。何度か試行錯誤するはめになりそうだ。



「これなら遠慮はいらなそうだね。久し振りだ、こんな気分は。」



 ガンツの顔つきが変わった。普段の優しそうな顔から険しい顔つきになる。戦闘モードに切り替わったってことか。



「僕は防御術だけでなく、斧の扱いも得意なんだ!」



 左手に持っている斧を一閃してきた。重装備のコイツからは想像もできない速さだった。



(ゴギャン!!)


「くうっ!?」



 避けるのには遅すぎたので剣で受け止める。さすがに斧だ。その衝撃はかなりあった。思わず声が出てしまうくらい。



「そして、盾は防御だけじゃないこともお忘れなく!」



 斧の攻撃に怯んでいたところへ、相手は盾を突き出してきた。さすがにこれは剣では受けきれない!



(ボゴォォンン!!!)



 盾で思い切り殴られるはめになった。殴られるというよりは、体当たりでもされたかのような感じだ。為す術なく吹き飛ばされた。



「うおおっ!?」



 無様に転げてしまった。みっともないところを公衆の面前でさらしてしまった。これじゃ、ファンの信頼もがた落ちしてしまうかもしれない。



「ふふ。まさか喰らってくれるとは思わなかった。……でも、まだまだこんなもんじゃないんだろう?」



 まあ、そう思われるのも仕方ない。勇者があっけなく吹き飛ばされているんだし。幻滅させてしまったかな。でも、コイツが強いのは確実だ。今までで一番、守りが堅い敵なのは間違いない。さあ……どうやって守りを崩してやるかな?

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