表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
274/1128

まさかの降伏勧告

 お盆期間中は毎日一話ずつ更新します。

 詳しくは活動報告をご覧下さい。


「さあ、どうする、お嬢さん?悪くない提案だと思うが?」


「まさか、我々二人を同時に相手にするつもりかな?……二人同時に相手をするとなれば、貴女の無事は保証できない。」



 二人同時に相手にするのはとても危険なのは自分でもわかる。正直、恐い。でも、ここで負けるわけにはいかない。最後まで勝ち抜いて……彼と戦う事を約束したから!



「あなたたちには誇りというものがないのですか?」


「……何を言ってるんだい?誇り?それはどういう意味かな?」


「まさか我々相手に“戦士の誇り”とやらを説くつもりなのかい?それはお門違いだよ、お嬢さん。」



 私は魔術師の心得を持つ者としては間違っているのかもしれない。この行動が理に適っていないとは思う。



「残念ながら我々は魔術師だ。魔術師には魔術師の戦い方がある。例え卑怯者と後ろ指指されようと、この信念は曲げない。」


「戦士どもと真正面から戦っても勝てないのは自明の理だからね。無理に汗臭い戦いに付き合う必要なんてないんだよ。貴女も魔術師なら少しはその自覚を持っておいた方が良いのでは?」



 それでも私は……戦士としてこの大武会を戦いたい!でないと、彼と戦う資格なんてない。



「それでも私は一人で戦います。戦わずに勝ったつもりでいるあなたたちとは違うんです!」


「残念だ。なら、我々も容赦するつもりはない。」



 戦いの口火は切られた。二人は私を前後で挟むかのような位置取りをする。こういう時は……、



「一0八計が一つ!円旋封壊!」



 複数の敵に周りを囲まれた際に効果を発揮する技を見舞った。大きく円を描くように周囲を戟でなぎ払って怯ませた後、突破口を開くための突撃を行う。



「はっ!!」


「ぐうう、そう来たか!」



 相手は意表を突かれたためか、大きく動揺している。遠慮なくこのまま正面の黒ローブの人を仕留めに掛かった。……でも、その直前で相手の姿は消えた。大鎌は虚しく空を斬る。



「危ない、危ない。危うく討ち取られるところだった。」



 黒いローブの人は、いつの間にか私の側面に移動していた相方と合流している。多分、引き寄せの魔術を使ったんだと思う。対象を瞬間移動させるタイプの魔術があったはず。



「なかなかどうして、以外とやるね、お嬢さん。魔術師とは思えないほど、キレのある動きをする。」


「大会までの間、必死に鍛錬しましたから!」



 鍛錬もしたし、予選会でも魔術は使わずに戟術だけで戦うことに専念した。それで大分自信が付いた。それ以前に魔王とも戦った事があるので、度胸も付いた。戦うまでは不安もあったけれど、一旦戦い始めてしまえば、どうということはなかった。



「我々も手段を選んではいられなくなった。必勝の策を使わせてもらう。行くぞマギマ!」


「わかった。アレだね、ドグマ兄さん。」



 私の実力を知った上で奥の手を使おうとしている。一体、どんな手を使うんだろう?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ