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チート使うとBANされかねませんよ?

「話を大武会に戻すけどさあ、クルセイダーズのアンタがこんな大会に出るってのはどうなの?」



 これ以上、冷やかされたらたまったもんじゃない。エルちゃんにも迷惑がかかるし。そこでもっともらしい疑問をエドにぶつけてみた!



「フフ、気になるか?」


「そりゃそうよ。アンタほどの実力者が出ちゃったら、若い芽を潰しちゃうんじゃない?若者の出世の機会を奪っちゃうんじゃないの?」



 そこが気になった。実力も実績もあるエドが出場してもメリットらしいメリットは何も思い浮かばない。もっと自分を高めることぐらいか?むしろ、デメリットばっかりなんじゃないの?



「出場する目的はもちろん自分の強さを高めることにある。しかし、それ以上にまだ見ぬ強豪との邂逅を望めることが大きい。」



 色んな地域から強者どもが集まってくるわけだ。さらに強くなるためには絶好のチャンスだろう。



「それだけではない。優勝した者だけを登用していれば偏りが出てしまう。実際に会ったり戦ってみなければ、有用な者を見つけることが出来ない。だからこそ私は実際に参加し、出場者を見極め、優勝という実績を持てなかった者でも見込みがあれば積極的にスカウトしている。その方がクルセイダーズと参加者にとって有用だと思っているからだ。」



 なるほど自分のためだけじゃなくて、クルセイダーズのことを考えた上での行動なのか。



「ちなみにジェイと知り合ったのも大武会が切っ掛けだ。我々はかつて優勝を巡って激闘を繰り広げた仲なのだ。」


「そういうことニャ。」


「へー、そうだったのか。」



 ジェイ程の実力者を登用できるんなら、儲けもんだろうな。むしろ出場しないと損になってしまうだろう。



「出場すれば必ず得られる物はある。そういう意味では君が出場しないのは損だと思うのだが?」


「ありゃ?ジェイから聞いた?」


「ジェイももったいないと思ったのニャ。それに君とは一回対戦してみたいのニャ。」


「うーむ……。」



 とは言われたものの、出場を躊躇ってしまう。エド達は明確な目的を持って参加しているし、所属している組織に貢献するためというのもある。俺の場合は私利私欲のためになってしまうし、チート要素まで持っている。やっぱり反則は反則だ。人の力を借りてまで出場する必要があるのだろうか?



「私が出場するなら、あなたはどうしますか?」



 迷う最中、思いもよらない人物が声を上げた。その声は俺の真横から聞こえた。……そんな!ダメだ!君にそんなことをさせるわけにはいかない。



「私、出場します!」



 俺はその瞳を見た。強い決意を持った光が宿っていた。やめてくれよ。君が出場するだなんて、俺は一体どうしたらいいんだ!

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