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犬のお困りさん

「あ~あ、泣かしちゃってェ!」


「違うでヤンス!最初から泣いてたでヤンス!人聞きの悪いことを言ってはいけないでヤンスよ!」


「にゃあ~!」



 ああー!更に泣き出したでヤンス!早くなんとかしないといけないでヤンス。



「あの~、お名前は?」


「にゃあ~。」


「ニャアちゃん?」


「ええ?それ、ちがくない?」



 もうどうしたらいいかわからないでヤンス!お手上げヤンス!



「じゃあ、おうちはどこでヤンスか?」


「にゃあ~。」



 詰んだでヤンス!なんかどこかで聞いたような展開になってきたでヤンス!



「ウ、ウオオオオォン!」



 思わず遠吠えしてしまったでヤンス。ハズカシイでヤンス!



「ワンちゃんが犬になったぁ!?」



 言ってる意味がわかヤンス……いや、わからんでヤンス。



「……にゃ、にゃハハ……。」



 笑った?なんか、この子、今笑ったでヤンス!意外な打開策でヤンス。では、もういっちょ!



「ウ、ウオオオオォン!」


「……。」


「あ、なんか、スベってるっぽい!」



 あ、あれ?今度は無反応でヤンス?何でヤンスか?何が悪かったでヤンスか?



「……。」



 でも、子猫は泣くのをやめているヤンス。何かを見つめてるでヤンス。あっしの顔?んもう~、照れるでヤンスよ。



「……光ってる!」


「……!?」



 あっしはそんなに美男子でヤンスか?光り輝くくらい、イケメンでヤンスか?照れるでヤンスぅ~!



「袋、光ってる!」


「袋!?」



 ふ、袋?……もしや、風呂敷のことでヤンスか?なんだ、がっかりでヤンス!……でも、風呂敷の中が光るのはおかしいでヤンス!光りそうな物はゴッツン・ゴー・クオヴァディスくらいしかないでヤンス!でも、漏れない限りは光るわけないヤンス。



「何が光ってるでヤンス?」



 風呂敷を下ろして中身を確認!子猫も中をのぞき込んでるでヤンス。どれどれ……、こ、これは!?



「これは勇者の剣が光ってるでヤンス!」



 アニキから預かってた剣が光ってるでヤンス!光るなんて聞いてないでヤンス!何が起きてるでヤンス?



「かっこい~!」



 子猫も見とれてるでヤンス!意外な物が子守りの役に立っているでヤンス!さすが伝説の武器でヤンス。



「ねえ、おぢちゃん、これってでんせつのぶき?」


「おぢちゃん!?」



 ガーン!オジさん呼ばわりされたでヤンス。まだ、二十過ぎでヤンスのに!まだオジさんにはなってないでヤンス。



「ねえ、これ、でんせつのせいけん?」


「まあ、そういうことでヤンス。じつはあっしは勇者の仲間でヤンス。お供をしてるでヤンス。」


「へー。ゆうしゃのともだち?じゃあ、あ~るのパパとおんなじだ!」



 パパと同じ?この子の親は何者でヤンスか?もしかしたら、パパが適当に話を盛ってる可能性が無きにしも非ずでヤンスけど。



「ねえ、キミ、アール君っていうの?」



 ミャーコちゃんが子猫に名前を確認してるでヤンス。確かに「アールのパパ」と言ってたでヤンスね。……しかし、ミャーコちゃん、さっきまでよそ見してた様な気がするでヤンス?なんか様子がおかしかったでヤンス?



「うん!あ~るって言うんだよ。あ~る・わいるどわん!」


「さっきパパが勇者の友達って言ってたけど、何のお仕事してる人?」


「うんとねえ、……わるものをやっつけるしごとしてる。このまえ、ゆうしゃといっしょにわるものたおしたって、ゆってた!」



 この前?じゃあ、本当ならアニキに聞けば、この子の親が判明するかもしれんでヤンス。やったでヤンス!

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