表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
195/1085

捜索の手掛かりは?

「どうじゃった?」



 神殿を出たところでいきなり声を掛けられた。口調と声からして、アイツしかいない。そして気配から察するにエルちゃんもいる。



「剣は作れない。剣の巫女は不在らしい。」


「やはり噂は本当じゃったか。」


「なんだよ。知ってたのか。」


「あくまで噂で聞いておっただけじゃ。」



 情報を知っていて、あえて止めなかったのは俺自身に真実を確かめさせて、現実に直面させるためだったんだろう。確かにあの時の俺は何を言っても聞かなかっただろうし。



「剣を手に入れたい一心で、急いで暴走した結果がこのザマだよ。みっともないったらありゃしねえ。」



 ホントに情けない。やる気が見事に空回りする結果になってしまった。みんなに合わせる顔がない。



「ゴメン、サヨちゃん。俺が悪かった。エルちゃんも心配かけさせて、ごめんよ。」


「気にしないで下さい。私は構いませんから……。」


「これでよくわかったじゃろう?あせっても、何もいいことはない。かえってし損じることもある。そういうことじゃ。今回の件は失った物は何もない。ただで勉強できたと思えば儲けもんじゃ。」


「ああ、そうかもな。そう言ってくれると助かる。今後は同じ事が起きないようにするよ。」



 とにかく反省だ。二度と同じ過ちが起きないように。それはそうとして、今直面している問題を解決しないといけない。



「どうする?剣を作れないんじゃ、どうしようもない。」


「出来ることは探す以外にはない。剣の巫女の足跡をなんとしてでも探し出すのじゃ。」



 手掛かりなんてあるんだろうか?ディーゲさんの話によると、娘さんは突然、家出したんだから、わざわざ探せるような手掛かりを残しているとは思えない。それ以前に……顔すら知らない。



「見たこともない人を探せるのか?そこが一番の難関じゃないの?」



 それでも、サヨちゃんは不適な笑みを浮かべている。何か策があるのか?



「妾を誰だと思っている?」


「なんだよ、急に?」


「妾の秘術を持ってすれば、解決できぬ事はない。顔を知らずとも、巫女の身内から引き出せばよいじゃろう?」



 そっか!忘れてた。この人、他人の記憶を覗けるんだった。それ以外にまだ何か秘策はあるのかもしれない。少しは希望が出てきたぞ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ