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憎いアイツは二刀流!

 サヨちゃんの視線の先には、扉があった。多分、転送門だ。扉は閉じられている。でも、さっきはこんな扉はなかった。隠されていたのか?



「これを開ければ、先に進めるんじゃないのか?」


「無理じゃ。」


「なんで?」


「封印が施されておる。そしてなにより、その封印は強固じゃ。妾でも解除できん。」


「サヨちゃんでも無理って、お手上げじゃないか。」



 悔しさのあまり、俺は立ち上がって地団駄を踏んだ。……地団駄を踏んでみて、何か違和感を感じた。ズボンのポケットに何か入っている?物を入れた覚えはないんだけどな?



「なんだこれは……?」



 取り出して見てみると、変な黒光りする石が入っていた。ナニコレ?



「それは……、キャッチアップ・ストーンではないか!なぜ、そなたがそんな物を持っている?」


「知らないよ!勝手にポケットに入ってたんだ。ところでケチャップ・スコーンって何?」


「違う!キャッチアップ・ストーンじゃ!仲間がはぐれた時に合流を補助するための、地属性魔法じゃ。」


「魔法なん、コレ?」


「術者が自身と仲間に持たせ、その魔力の共鳴によって互いの位置を探知する。転移魔法でも使えばすぐに合流が可能になるという仕組みじゃ。」



 地属性?……まてよ?ってことはまさか?アイツ、侍がこれを置いていったということなのか?



「侍がこれを?何のために?」


「例の侍が置いていったというのか?侍程度では扱える魔法ではないぞ。高度な技術が必要なのじゃ、それは。」


「アイツは並みの侍じゃないんだよ。かくいう俺も一般的な侍なんて知らないけど、とにかくアイツは魔法も使いこなしてた。砂を鎧にしたり、魔法返しなんかも使ってきた。」


「馬鹿な!侍どころか、並みの魔術師を遙かに凌駕しておるぞ、そやつは!」


「やっぱ、100年籠もってたってのは本当なのかもしれないな。アイツならその間に修行とかしてそうだったし。」



 思い返してみて、分析してみると、割とトンデモないヤツだったんじゃないか。剣も魔法も使いこなす化け物だ!いわゆる、二刀流というヤツなんだろう。剣も使うから意味がややこしくなるけど。



「現実として、その石はここにある。そなたが持ってきたというのでなければ、侍が持たせたのじゃろう。」


「持たせたってことはつまり……合流しろということか?後で追わせるために。」


「石があるのであれば、転移魔法で合流は可能じゃ。こちらとしては都合は良い。使わせてもらおうではないか。」

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