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捜索の手掛かり

 賊は拘束した上で町の衛兵に引き渡した。大人数だったので、非常に骨の折れる仕事だった。無駄に時間を消費させられた。



「うーむ。これは困ったことになった。」



 賊を締め上げたところで、わかるはずもなかった。追い詰められ、破れかぶれの行動を取ったに過ぎないのだ。罠の転送先まではわからない。



「エル坊たちは下層階にまで飛ばされてしまったようじゃ。」



 地形探知、仲間捜索の魔術を駆使して、ようやく転送先の位置特定に成功した。例え、妾であってもこれには時間が掛かった。



「えらいこっちゃ。封印指定エリアにほりこまれたんかいな。」


「まずいね。あの子たちだけでどれぐらい持ちこたえられるのか……。」



 今回の調査で元々封印指定エリア、地下5F以降には万全の体制、人員で挑むつもりでいた。魔王がいなくなったとはいえ、危険な魔物、罠が多数存在している。魔王討伐後は長らく封印されているのだ。



「エル坊たちは所在を掴めたが……、」


「あの二人でっか?」


「あやつらの所在が掴めんのじゃ。」



 全くといってもよかった。こんなことは初めてだった。同じダンジョン内に飛ばされたのであれば探知に引っかかるはずなのだ。何度、探知の魔術を使っても、反応がないのだ。



「まさか!石の中にでも転送されてしまったんじゃ……。」


「それはない。もし仮にそうだとしても、死んでいたとしても、探知することは出来るはずなのじゃ。」


「なんか謎かけみたいになってきおったな。」



 不可解だが、ある可能性を考える必要が出てきた。



「普通はあり得ぬことじゃが、別のダンジョンに飛ばされた可能性を考えた方がいいかもしれん。」


「例の行方不明事件も考慮に入れたら、そうかもしれまへんな。」



 ダンジョンでの行方不明事件も転送罠が大きく関わっているとも言われている。事件が起こり始めた時期と転送罠が増加し始めた時期はほぼ一緒だったようだ。



「罠を設置した者の狙いはよくわからんが、冒険者を拉致する目的があるのかもしれん。」


「転送罠ということ自体が盲点だったのかもしれん。あの罠をよく調べる必要があるかもしれん。」


「できるんでっか?そんなことが?」


「魔術が使われているのであれば、解析することは出来る。もしかしたら、転送先の指定がされているかもしれんからのう。」



 何者が作ったかまでは特定できない可能性はあるが、作られた時期、魔術の方式からある程度の人物像を推定できるだろう。少ない手がかりからでもなんとか情報を引き出さなければならない。



「そうと決まれば、早速ダンジョンに引き返すぞ!まずはエル坊たちの救出からじゃ!」


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