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開けて閉めて、開けて閉めたら入れない。

「入り口と出口がないってそんなのありえるのかよ!」



 ファルちゃんの言ってることに納得がいかない。というより意味がわからない。入り口がなかったら、このダンジョンはどうやって作ったんだよ。



「あのさあ、卵が先か、鶏が先かみたいな話?」


「違う。別に哲学の話をしてるわけじゃない。」 



 ああそう。ソレでもなかったか。俺の思考がますます暗礁に乗り上げてしまったじゃないか!謎という無人島に漂着してしまいましたよ!



「全くなかったわけじゃない。」


「何が?」


「行き方のわからない謎のダンジョンの噂だ。この噂自体、熟練の冒険者の間でしか知られていない情報なんだがな。」



 行き方がわからないのに何故、噂があるのか?また、さっきの話になってしまう。もう、わけわからん!



「何時の頃からかは知らないが、古代文明の遺跡がそのダンジョンに存在してるって話だ。そこには莫大な金銀財宝が、っていかにもな尾ひれまで付いてくる。」


「お、お宝かよ!」



 やったぜ!レア・ダンジョンに辿り着いたのはラッキーだったのか?



「どこまでもおめでたいヤローだな、お前は。」


「むむう!」


「わすれたか?ここには出口がない。もし財宝を見つけたとしても、脱出が出来ない。財宝の中で溺死するようなもんだ。」



 そ、そんなわけあるか!なにか脱出する方法くらいあるはずだ。ゲンコツのおっちゃんが持ってたようなやつとか……。



「でも転移の魔法とか、脱出アイテムがあれば出られるんじゃないの?」


「できねーよ。あれはここみたいな、空間的に隔離された閉鎖空間からは脱出できない。ここはある意味、異次元空間だ。天界・魔界と似たようなもんだ。」


「い、異次元!?」



 色んな意味でヤベーところに来てしまったのか。みんなとはもう会えないのか?しかし、こんなヤツと運命を共にすることになるとは、ついてない。どうせなら、エルちゃんと一緒に来たかった。



「そうだよ!エルちゃんたちは一緒に来てないのか?」



 同じ転送トラップで飛ばされたので、同じダンジョンに来ている可能性もある。



「少なくとも、ここにはいない。結局の所は何もわからない。探索してみないことにはな。」


「とりあえず、探索するか。それ以外やりようがないし。」



 俺は覚悟を決め、謎のダンジョンの攻略にとりかかった。


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