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【総合ページ】勇者参上!!~東方一の武芸の名門から破門された俺は西方で勇者になって究極奥義無双する!~  作者: Bonzaebon
はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【 第4章 沈黙の魔王と白い巨塔】  第2幕 K'(ケー・ダッシュ)
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第428話 福引き? いや、貧乏くじでしょ?


「ハリス! 姿を見せろぉ!!」



 ブレンダンの叫び声が響く。ハリスからの怪文書、ある意味挑戦状とも取れる内容にブチキレたからこそとった行動だとも言える。どう考えてもこちらをバカにしているとしか思えない内容でもあったのでキレても仕方ないとは思う。



(ピシャーーーン!!!! バリバリバリ!!!!)


「ぐおおあっ!!??」



 叫んだブレンダンの頭上に紫色の一筋の閃光! その閃光がブレンダンを焼き付くそうとせんばかりに全身を覆った。バリバリと体を蝕み、ブレンダンは苦しみの声を上げながら床の上を転げ回った。アレは魔力による雷なんだろうか?



「あっ!? また紙切れだ!」



 拾い上げて、すぐに内容を確かめる。ブレンダンへの一撃に対する表明かもしれない。



《誹謗中傷、クレームの類いは一切受け付けません! お客様には会場のルールに従っていただく義務がございます! もしお従いにならなかった場合はおもれなくお仕置きをお喰らってもらいます! ココがどういうところか解っていますか? Do you understand? 君たちなんて、ボクがちょいっとやってしまえば、どうにでもなるんだよ?》


「ナニコレ!? 殺そうと思えばいつでも殺せるって言いたいのか?」


「大方、そういうこったろう。何せ、奴のテリトリー内だ。どうとでもなるんだろうよ。」



 ファルはわかりきったことだ、と付け足す。自分の庭の中だから、なんでも自由自在になる? ただの嚇しだろう。有利な立ち位置なんだろうけど、殺れるんなら一気に倒しているだろうから、強行手段に踏み切れない事情があるのかもしれない。


 だろうから、従うだけ従っといて返り討ちにしてやろうじゃないか。とかなんとか考えているうちに次の紙がヒラヒラと舞い降りてきた。いちいちめんどくさいな。もう普通にしゃべればいいのに。



《ファイナル・アトラクション第一幕! まずはこのボックスから一枚紙を取り出してください! くじ引き! もちろん代表者は勇者ね!!》



 紙と同時に部屋の中央には巨大な福引き箱が出現していた。ここから出てきた内容でこれからナニが起きるかを決めるようだ。俺を指名してきているし、サヨちゃんやファルみたいな切れ者に触らせない事でタネをわからせない様にしたいんだろう。


 全部ハズレ券のインチキがバレるのを防ぐためなんだろうな。たぶんどうせ、内容ははじめから決まってるはず。運要素が絡んでいる体で事を進めたいんだろうよ。



「さてとナニが出るのやら……?」



 俺は大人しく従うことにした。逆らって返り討ちにしてもいいが、さっきの邪悪な雷を回避・無効化出来ても、俺に対してお仕置きが来るとは限らない。俺が対処出来ることを読んで他の仲間に当たる可能性もあるからだ。下手な真似は出来ない。


 だからこそ従った。対処はそれからだ。ガサゴソと箱の中を探るが大量に紙が入っているのでどれを取るべきなのか迷ってしまう。でもここは時間をかけてもしょうがないので、意を決して一気に引き出した。



「な、内容は……?」


《”家無し忌み子お嬢様”と”ド貧乏落ちぶれ犯罪者2世”!!》


「は、はひ!?」


「おい! なんて書いてあったんだ! 早く言え!!」



 ファルは急かすが、そのままの内容を言えるわけがない。どう考えったって指名した相手の悪口にしか思えなかったからだ。多分、前者はエルのことを言っている。ひどい言いぐさだ。絶対にこれは本人に見せたくない。


 でも、後者は誰のことを言ってるんだろう? いまいちピンと来ない。貧乏……? これに該当しそうなのは……エピオンくらい、か? でも犯罪者の2世? そんな話は聞いたことないぞ? と、言いあぐねている内にヒラヒラと次の紙が落ちてきた。ったく、余計な横槍を入れるんじゃないよ!



「なんだこれは? 誰のことを言ってるんだ?」



 ファルが最もらしい感想を述べる。福引きの紙と同じ文面が書かれていた。どうせみんなに見せるんなら最初からそうしろよ、と言いたくなる! 当然のことながら、当人であるエルは何か気まずそうな素振りを見せていた。そしてもう一人、紙を読んで大きくリアクションしている人物がいた!



「クソ羊が!! さっさと姿を見せやがれ!!」



 まさか、本当にエピオンだったとは! 後者のことはエピオンを指していたのだ。犯罪者の子供と揶揄されたことに憤っているのだろう。どうやら本当の事のようだ。真相はよくわからないが。そして、その言葉に応えたのか、何者かが福引き箱の代わりに出現していた。年の若い女性の魔術師と禍々しいデザインの鎧を身に付けた騎士が現れたのだ。



「ハリス様よりも私に用があるんじゃないか? 息子よ。」


「む、息子……!?」


「出たな、アディン! オレはお前を親と認めない!!」


「いけませんよ、エピオン君。この方は貴方のお父様でしょう?」



 謎の騎士が口走った言葉に絶句した! あれがエピオンの父親? アイツの過去に関しては、母親がいたことくらいしか情報がなかったのだが……。父親の存在が明らかになったのか? でも、ハリスの側にいるってことは、とっくに故人ということになるのか? というか、あの鎧は一体? でも、あの鎧からはかつて戦ったことのある、懐かしい気配が漂っているような……?

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