表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【総合ページ】勇者参上!!~東方一の武芸の名門から破門された俺は西方で勇者になって究極奥義無双する!~  作者: Bonzaebon
はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【 第4章 沈黙の魔王と白い巨塔】  第2幕 K'(ケー・ダッシュ)
1095/1129

第421話 「デートしました」宣言は”ガセ”とさせていただきます!


「げっ、げぼぁ!!?? 死ぬ! 死ぬ……ンゴッ!?」



 どうやら、あちらさんも決着が付いたみたいだな。鎧の男に心臓を刺し貫き、筋肉ヤロウが胸から火山の噴火みたいに血を吹き出してぶっ倒れた。あの男も割とできるじゃないか。宗家のジジイが評価していただけのことはある。多分、若程度の人間になら勝てるだろう。俺は負けないけどね。



「チクショウ! タイプ108までやられるとは!」


「さてと、我が流派を愚弄する愚かモンはあと一人となったわけだ。どうするよ? お前の主の所におとなしく案内してくれたら、ひょっとすると命だけは助かるかもしれないよ?」



 流派の技を汚した愚か者は一人残らず排除するべきだが、それじゃ勿体ない。ここは怒りをグッとこらえ、敵さんの本丸の場所を探っておかないとな。舐めたマネをしでかした首領(ドン)の首根っこを掴んでやらないことには問題は解決しないからな。見つけ次第とっちめてやるつもりだ。そのための手がかりを一匹だけ残しておいた。



「助かるかも、ってそこは確定じゃないのかよ!」


「そこは極わずかな希望を込めて可能性を探るもんじゃない? そういうのは当人が頭の中で計算するんであって、提案する側はするのかしないのかは不透明にしとかないと面白くないじゃない?」


「性格悪すぎだろ、お前!」


「え~? 若に言われたくないわぁ。いつまでもしょうもないこと根に持って、いちいち逆恨みの復讐しに行くような人に言われたくないわぁ。」


「オイ! 今は関係ないことを言うな! 人の失敗を笑いものにするような奴にいわれたくないわぁ!」



 過去の失敗を笑い飛ばせるくらいの余裕がないと大人になったとは言えないんだよ? 自分が間違ってたのにいつまでも根に持って仕返ししようとしてるようじゃねぇ? しかも返り討ちに遭った上、鬼さんに散々シバき倒されたなんてダサすぎるにも程がある。なんか悪い方向にすっげぇセンスが偏ってるんだよなぁ、若って。



「あの少年、そんな目的でこの国にまでやってきましたの?」


「なんだかロア君に恨みを持っていたそうなのニャ。でも本当のところはお嫁さん探しの婚活目的なのかと、ジェイは思っているニャ。」


「んまぁ、婚活のカムフラージュ目的で復讐を掲げるなんて! もっと堂々とすればよろしいのに。そんなようでは女性には見向きもされるはずがありませんの。」


「コラ! 勝手な憶測で風評被害を広めるな、猫!!」



 ほら、ギャラリーにも言われちゃってるじゃない。負けてズタズタにされたプライドを婚活と言い張って誤魔化そうとしてるからね。デートした? やっぱ嘘じゃない? 傷心のプライドでなんか夢幻でも見せられちゃったんじゃないの?


 相手は妖魔、悪鬼の類いだからね。しまいには魂までチューチューされちゃうのは目に見えてる。というわけで、例の「デートしました」宣言は”ガセ”とさせていただきます。以降、当人がこの件について「した」と言い張った場合はもれなく”ウソつき”と呼ぶこととします。ダバダ~♪



「……そーっと……。」


「おい!」


「ひゃっふ!? 何でございましょう?」


「しれっとどさくさに紛れて逃げようとしてんじゃないよ? 別にさぁ、あのダサ眼鏡の事話してるからって、そっちに集中が向いてるわけじゃないから。あんな思想のうっすい人間を語るなんてあんまり脳の容量使わないんだよ? 気が逸れてるなんて考えるのはあ・ま・え!!」


「”思想が薄い”ってなんだ、コラァ~!!!」



 筋肉ヤロウに話を振らなかったってだけで見てないとは俺は一言も言ってないよ? ペラペラにうっすいダサ眼鏡なんか、気にも止めないレベル。侮辱不敬罪を犯した重罪人の方がまだ思想を持ってる。それぐらい薄いんですよ、ウチの若は。



「いやぁ、ダンナもお目が高いようで……。○貞への指導に掛かりっきりだと思ったもんで、さっさとお暇しようとしたんでさぁ。」


「お前ら、逃げる逃げないの問題の問答でついでみたいにオレを侮辱するのはやめろ! オレを話に絡めないと会話できないのかっ!」


「そりゃ一挙手一投足全てが滑り倒して行くことに定評のある若だから、話題に出して話の潤滑剤に使ってんだよ? 話の潤滑油に便利です、みたいな?」


「メチャクチャむかつく~!!!」



 とかなんとか言ってるうちに、筋肉ヤロウの様子がおかしくなった。急に体が硬直したみたいにキレイな”気を付け”のポーズで固まってしまっている。その割には口が妙な事になっている。キレイに四角形な形をした上で開いているのだ!



「ちょ! なんかコイツの様子がおかしいぞ!」


「ん? なんか紙のようなものが出てきた!」



 なんだか巻かれた反物が広がっていくみたいに細い紙が次から次へと少しずつせり出してきた。次第に地面に到達し、蛇がとぐろを巻くかの如く蓄積していった。よく見てみたら紙には何やら文字が書かれている。手に取って見てみると……?



『どうやらお楽しみ頂けなかったようですネ? より良く楽しめるよう、更なるハードな……もといハートフルなアトラクションに招待しますので、ご期待ください!!』


「なんだこれは?」



 いったいこれは何? どんな妖術だ? もしかしてここの主からの俺らに向けた伝言? 俺にとって手応えの無さすぎる相手だったから、もっと手強い相手を用意するって解釈で良いのかね?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ