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カリカリのデーモン

「もう、カリカリはいやでヤンス。次は確実に命を奪われるでヤンス。カリカリのデーモンに殺されるでヤンス。」



 翌朝、ゲッソリした顔でタニシはやってきた。またか?またあの悪夢にうなされたんか。だからカリカリって何のことだよ。



「もう、あっしは明日の朝には息を引き取っていると思うでヤンス。短い間、ありがとうございましたでヤンス。」


「アホか!夢見ただけで死ぬヤツがどこにおんねん!」



 最早、犬の人はテンションがお葬式状態になっていた。見送りに来ただけのヤツがそんなことでどうする。



「ほな、留守番は任せたで。……それと、留守番中はゴッツンは禁止や。」


「え~、しょんな~、でヤンスぅ!」



 まあ、いらない、飲ませないほうがいいだろうな。むしろ、留守番なんて内勤でハッスルする必要がどこにあるというのか。



「留守番の間、報告書とか、書類まとめとけや。やることいっぱい溜まってんの知ってるんやぞ。」


「しょぼんヌ、でヤンス。」



 仕事溜まってるんかよ。なおさら、居残り確定だな。ついてこられても、昨日みたいなことになりそうなので困る。悪夢よりひどいことになるのは目に見えてるし。



「じゃあ、行くか!ファルちゃんたちが待ってるし。」



 アイツらとはダンジョン入り口でおちあうことになっている。早く行かないとファルちゃんとジュリアに嫌みを言われるだろうな。



「それでは皆さんお達者で、さようならでヤンス!」


「ドアホ!縁起でもないこと言うなや!」


「違うでヤンス!むしろ、あっしが、でヤンス。カリカリのデーモンによって命を奪われるでヤンス。」


「アホ!」



 自分が、というのは本当みたいだ。でも、こんなときくらい、もっと気の利いたことくらい言えばいいのに。その辺がやっぱりただのアホ犬である。


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