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【総合ページ】勇者参上!!~東方一の武芸の名門から破門された俺は西方で勇者になって究極奥義無双する!~  作者: Bonzaebon
はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【 第4章 沈黙の魔王と白い巨塔】  第2幕 K'(ケー・ダッシュ)
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第407話 再び鳴り響くエンディング・テーマ……?


「メテオ・スマッシュ・ブロウ!!」


「うわーっ!!??」



 ケンオウ様の究極技が来たぁ! 物凄くシンプルな全力ストレートだけど、アレは兵器だ! 全力疾走する騎馬、いや戦車(チャリオット)かな? それどころか、コレ、名前の通り”凶星(メテオ)”じゃない? 隕石並みの破壊力がありそうなパンチが迫ってきているのだ!



「死ぬゥ! 絶対死ぬゥ! もうダメっぽ……、」


「死ぬな! 今こそあの技じゃ! あの技で対抗せねば、そなたに次はない!!」



 そんなこと言われても! 頭の中で再び走馬灯およびエンディング・テーマが流れ始めているというのに! 一旦遠のいて、フェイントかけられてから、結局終了します的な? もう無理、絶対死んだよコレ! 死ぬ前だから、一回アホになっておくか? 全力でアホ(勇者)になれば助かるのなら、アホ(勇者ロア)になりきってやるゥ!



「絶空……八刃!!!」


(カッ!!!!)



 無我夢中で理性をかなぐり捨ててアホ(勇者ロア)になりきった結果……全てが真っ白になってはじけ飛んだ! 真っ白になったが、土手っ腹に物凄い衝撃が走ったの気付いた! 痛い! 意識が飛びそう! 内臓がはじけ飛びそう! 体の中から爆発してしまいそうだった!



「ぐぺぺぼっ!!! 痛い! 痛い! 死ぬ死ぬゥ!!!!」


(ゴロゴロゴロゴロ、ズダンッ!!!!!)


「何故だ? 俺の技が効かなかっただと?」



 んなこたぁない! しっかり効いてますよ! 地獄の底からこみ上げてくるかのような恐ろしい痛みが! 多分死ぬ前の痛みってこんなんやろな、って位には痛いんですよ! これで効いてないんなら詐欺ですよ? 経歴詐称で訴えられますよ? ホント死ぬほど痛い!



「死ぬほど痛いィ!! たぁすけてぇ!!!!」


「ええい! 勇者候補とあろうものが見苦しい姿を晒すでないわ! それだけ痛がれるのなら十分に生きておるわ!!」


「でも死にます! あと十秒くらいで!!」


「ほう? ではその十秒の苦しみを味わわぬ様、介錯して進ぜよう。消し炭となるが良い。」


「ヒェッ!! あ、もう、大丈夫かも? なんか痛みがすっ飛びましたっ!!」


「ほう、左様か。残念じゃのう。」



 でも痛い、痛いんすよぉ。ここは何が何でもやせ我慢しないと本当に打ち切り終了みたいな終わり方になるので、平気を装いました! まだ痛い。下痢の時の数十倍は痛んでますけど、消し炭になるよりはマシなんです! 亡くなるよりは痛い方を選ぶんですよ。でも痛い。痛すぎて死にそう。



「俺は本当にこの娘を消し飛ばす勢いで攻撃した。なのに何故、痛みにのたうち回る程度で済んでいる?」


「これは紛れもなく、あの奥義が成功した証拠じゃ。技の相殺現象が発生したのじゃよ。少し不完全ではあるがな。」


「そんなことが物理的に可能なのか?」


「だからある意味魔法的な意味合いを持つ技なのじゃ。そなたの技の威力を殺し、使い手は生き残ることに成功した。」


「生き残ってませんよ? むしろ死にそうです! ていうか(一機)を失いましたっ!!」


「ある意味、剣が身代わりになったのじゃ。剣が並みの質でしかなかったから、技が不完全な形になってしまったのじゃろう。妾も失念しておったわ。空間、摂理を超えた技故に武器その物にも多大な負荷がかかるということをな。」



 こんなに痛いのは武器のせいであると? 確かに聖都の武器屋で品質どうこうよりも、おしゃれなのかどうかで決めたシワ寄せがこの痛みになって帰ってきたのだ、と? 伝説の武器とか勇者の剣みたいな専用武器なら壊れるのが回避出来たということか! あのアホ(勇者)でも専用武器を持っているのはこのため? まあ、やっぱ一流は一流の武器を持ってこそ、と言いたいのだろう、先生は!



「つまり本来であれば、技の相殺どころか俺の方がぶった切られていたと言うのか?」


「左様。あの男ならば、相殺した上でそなたを無力化しておっただろう。邪悪な者であればそのまま消滅する。あれは太陽の光のような慈悲の一撃なのじゃ。」



 ていうかワラワ先生のアホ(勇者)への異様な高評価っぷりは何なの? あんなのただのアホですよ? さては昔に金を積まれたか、たらし込まれたとかそんな薄汚れた過去があったに違いない!


 いやでも、やっぱあんなのにはそんなこと出来ないか? 金なんて持ってなさそうだし、究極的な非モテの弱男だということを忘れていた! なら一層説明付かないじゃん! あんなのが慈悲なんて持ってるわけない! 慈悲ってのは聖女様だけが振るう事を許された行為! 所詮、弱男には”優しさ”なんて似合わんのよ! 偽りの優しさなんてクソの役にも立たないのだよ!



「そなたの方こそ”優しさ”という物を理解しておらぬ癖に。これが次期聖女候補だとは笑わせてくれるのう。」


「んなーっ!? 心の中の声を聞かれていた!? 貴様、見ているな?」


「見たというより漏れ出ておるわ! 妾ともなれば邪な心の声くらいは簡単に見透かせると覚えておくが良い。」


「そんなん、のぞき見ていい理由になんないよ! ヒドくない?」


「黙らっしゃい! そなたの方こそ、薄汚い心の声を聞かせおって! 技が不完全に終わったのも、その精神性に問題があったからかもしれんのう。才能だけでは何も成し遂げられん格好の例じゃわい。」


「おいおい、今度は仲間割れか? 俺との決着がまだ付いてないことを忘れるなよ?」



 なんかムカムカしてきた! あのアホ(勇者)をそこまで擁護するんなら、私だって黙っていないよ? あんな勇者の素質ゼロなヤツに肩入れするなら徹底抗戦だ! それに私に勝手に期待しといて、失敗した途端に手の平クルーっぷりなのも許せんぜよ! 絶対に将来的にコテンパンに伸して、焼き土下座させてやるからな!


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