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突然の再会

「ちょうどいい。こっからは俺から話させてもらうぜ。」



 聞き覚えのある声が背後から聞こえてきた。こいつはまさか!



「よう、相変わらず冴えねえ顔してやがるな。駆け出し勇者!」



 会うなり失礼なこと言いやがって!だったらこっちも……、



「よう、ファルちゃん!生きてたか?」


「なんだと、コラ!俺をちゃん付けで呼ぶんじゃねえ!今度言いやがったら、その首刎ねてやる!」


「おいおい、なんや?喧嘩でもしよるんか?」



 おっちゃんが呆れ果てている。でも、なめたことを言ってきたのはアイツの方だ!



「ちょっと、ちょっとお二人さん!喧嘩は止めやしないけど、外でやってくんな!」



 突如、小柄でずんぐりした女の人に止められた。この店の女将でドワーフ族のおばちゃんだ。



「あたしは外でやんのも反対だよ!師匠の顔に泥でも塗るつもりなら、あたしがあんたらのドタマかち割るからね?」



 ファルちゃんの相方、破砕の戦姫ことジュリアまで出てきた。今回も一緒ってことか。



「チッ、うるせーな、わかったよ。」


「頭、割るのは勘弁して!……それより師匠って誰のこと?」


「この店の女将、エプリルさんよ。そして先代の破砕の戦姫!店で粗相なんかしたら、ジョッキで頭割られるから、覚悟しなよ!」


「ひぇー!?こっわい!」


「お客さんを怖がらせんのはやめてくんな。そりゃ、粗相したら一週間くらいはタダで皿洗いくらいはやらせるけどさ!」


「ひぇー!!」



 それはイヤだ。皿洗いくらいはなんともないが、ただ働きはイヤだ。



「今回も二人と一緒に行くことになるのか!また、よろしく頼むぜ!」


「前みたいにヘタレたりしたら承知しないからね?」


「もう、あんなことにはならないって!」


「冗談に決まってんじゃん!何本気になってんの?エドから色々話は聞いてるよ。そんな奴じゃなくなったのは知ってるから!」



 くそう!またからかわれた。コイツはすぐに人を弄る癖がある。なんというかサヨちゃんと似たようなところがある。Sっ気があるというか。



「それから、参加メンバーはもう一人いるから。ほら、この子!」



 ジュリアに促され、後ろから遠慮がちに女の子が出てきた。小柄でずんぐりとした体型だ。この子もドワーフ族かな?



「はじめまして。メイです。ヒーラーをやってます。」


「じつはこの子、師匠の娘さん!そしてあたしの妹分。」



 なんか似てるなと思ったら、そういうことか。ジュリアとは対照的におとなしそうな子だ。



「あたいとは違っておとなしい子だけど、仲良くしてやってくんな。」



 その子はお母さんであるエプリルさんからもよろしくと背中を押された。おとなしいだけじゃなくて人見知りなところもありそうだった。



「あーっ!メイちゃんだ!」


「あっ、タニちゃん。」



 さっきまでキャベツをむさぼり食っていたタニシが出てきた。尻尾をぐるんぐるん回していた。随分とご機嫌な様子だ。お前、さっきまで話を聞いてなかったくせに急になんだ!



「なんだよ、知り合いなんか?」


「メイちゃんとは幼なじみなんでヤンスよ!お互いにこの町の育ちでヤンス。」



 二人は仲よさそうに、それぞれの近況とかの会話を始めた。じゃあ、俺たちも話を再開しようか。

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