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コボルトAがあらわれた!コマンド?

「うひへへへっ!……でヤンスぅ!」


「ち、ちょっと、タニシさん!どうしたんですか?」


「コボルトAがあらわれた!……でヤンス!」



 なんで、こんな急に?……まさか!?これは……、



「チッ!かかったのはコボルトだけかよ!……まあいい、女一人くらいどうにでもなる!」



 魔術師がいる!魅了の魔法を使ったんだ!相手の言葉通りだと私に対しても使っていたみたい。



「ようし!みんなやっちまえ!手込めにしてやれ!」



 魔術師が指示を出して、三人が襲いかかってきた。もちろん、その中にタニシさんもいる!



「うひへっ!ツーコンの一撃でヤンスぅ!」



 どうしよう、タニシさんまで巻き込んでしまうけど、魔法を使います。ごめんなさい!



「ナイトメア・クラウド!」



 灰色の霧が目の前に広がった。これで多分、普通の人は倒れると思う。視界を奪い、睡眠へ誘う魔術だ。



「ぐ、何だ?この霧は?」


「ま、前が見えん!」



 敵は混乱に陥って、バタバタと倒れ込んだ。



「くふふぅ!コボルトの視界を奪っても意味がないでヤンス!鼻がきくんでヤンスよぅ!」



 タニシさんだけ霧から逃れて出てきた。ど、どうしよう!



「とりわけお嬢さんはいい匂いがするでヤンスから、丸わかりでヤンスよぅ!うひへへへっ!姉ぇちゃんよう!……でヤンスぅ!」



 もうイヤ!変質者に襲われてるみたい。でも、なんとかしないと、私が大変なことに……。



「おうあ?あおうおおおおん!?……キュウっ!!」



 タニシさんはくるくる回転してから、そのままの姿勢で卒倒した。きいたのかな?ナイトメア・クラウドが?



「や、闇魔法だと?禁呪法じゃないか!犯罪じゃないか!通報してやる!」



 そんな!襲ってきたのはそっちなのに!ひどいよ……。



「ああん?なんやて?もういっぺん言ってみ?通報されんのはそっちの方ちゃうか?」



 魔術師の後ろの方から、獣人が現れた。この人はオーク族?

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