四月。
四月八日。
今日は入学式だった。
新しい制服に鞄に靴下にと、たくさんの新しいものに囲まれて終始落ち着かなかった。
唯一、同じ小学校から同じ中学に進学したSとはクラスが離れてしまった。
でも、一学年三クラスしかないので、来年か再来年あたりは一緒のクラスになれると思う。
新型ウィルスの関係で午前と午後にクラスを分けて登校するらしい。
僕は午後組だった。
四月十五日。
だいぶ授業にも慣れてきたと余裕がある風に見せたいところだが、なにせクラスの半分の人間としか合っていないのに、慣れてきたも何もない。
昨日は小銭が重かったので、学校帰りにブックオフで早見和真さんの『イノセント・デイズ』を買った。
学校帰りの寄り道には慣れてきたかもしれない。
四月二十二日。
今週は初めて学校の図書館に行った。
普通、学校に備わっているのは『図書館』じゃなくて『図書室』だと思うのだが、担任までもが図書館図書館と呼んでいた。
気になって行ってみたら、大きさは『図書館』だった。
四月二十九日。
今週は図書館に入り浸っていた。
卒業までに読み切れないだろうと思ってしまうほどの蔵書があり、司書さんに
「何冊ぐらい本があるんですか?」
と聞いたら
「三万冊ぐらいあります」
と返された。
通りで。卒業式まで死にません。