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森深く、日が当たり美しい湖畔に、そっと建てられた小さな小さな小屋…
中は、まるで町娘が好みそうな小物や何故か新鮮な果物や木の実がカゴいっぱいにテーブルにある。
少し奥へ進むと、重くカーテンを閉め切った暗い部屋の隅、シングルのベットで形を崩くこともなく、まるで剥製か人形のような美しい女性が眠っている…
フィーロラ・ジュリエッタ
16歳の誕生日、黒い妖精のローレンスの呪いで永遠の眠りについた。
目覚めることはなく、ただただ永遠に眠り続ける呪いだ。
ただその呪いを解くたった一つの方法がある。
それは、王子様の口付けだ。
口付けで呪いは解けて…長い眠りから目を覚ますというロマンチックなもの。
だが、その話はもう既に6年前の話だった。