表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神マナさん!!ヘタレ勇者に恋オチしました☆彡  作者: すみ いちろ
序章 プロローグ2  ~もうひとりの【自分】~
8/59

【風魔(フウマ) 刹那(セツナ)】

 「ハァ……ハァ……」


 

 「……ッグ!!…………くはっ!!!」



 

 オレは、何故、走っているのか………?


 

 何故、闇夜の中を、走っているのか………?


 

 分からない…………。



 ここは……………?



 分からない…………。



 何故、こうなったのか…………?



 分からない………。



 感じるのは、とてつもない、疲労感と、激しい痛み……。



 どうやら、ここは、森の中らしい…………。



 しかし、何故?



 気が付いた時には、倒れていた………。



 しかし、ここが、どこだか、分からない…………。



 あるのは、足首の、痛み………。



 「ッウ………!!」



 思わず、しゃがみこむ……。



 激しい足首の痛み…………。



 ふと、見上げると、月の、輝きが、森の木々の、隙間から、垣間、見える………。



 「満月か…………」



 そう、つぶやくと、一閃の視線を、感じる………。



 負傷した獲物を、狙う捕食者………。



 月の光が、黒いウロコに、反射する……。



 50メートルは、あろうかという巨大蛇ギガントサーペントが、蜷局とぐろを、巻く…………。


 

 赤い目が、金色に、光る…………。



 何かの、動作の、前ぶれ………。



 瞬時に、その場を、飛び退く………。



 その場所には、土が、焼けただれ、植物が、腐食され、溶けている………。



 明らかな、致死性の猛毒…………と、殺意………。



 何故か、オレの右手には、ナイフ?のような、短刀が、握られている………。



 逃げれば、追って来るだろう………。



 闘わなければ……。



 死ぬ…。



 

 

 ………




 瞬間、視界が、暗くなる………。



 暗順応で、暗闇に視界が、慣れ、月の、光の、差していた前方に、巨大蛇ギガントサーペントが、開口し、目の前まで、迫っている…………。



 オレは、何故か、左手に持っていた『何か』を、投げつける…………。



 激しい、光が、辺りを昼間のように、照らし………凄まじい、爆音が、暗闇に静まり返った、森の中に、鳴り響く…………。



 



 バッガァァァァンンン!!!!!!



 

 ズォゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッッ!!!!!!



 



 強烈な閃光に、一瞬、目を回す巨大蛇ギガントサーペント………。




 ためらわず、右手の、短刀を、持ち替え、背中の大刀を、抜き去る…………。




 …………



 

 意図せず、目の前の、巨大蛇ギガントサーペントが、一刀両断される……………。




 「……ッグ!!……ハァ……ハァ……くっ!!!」


 


 痛みは、治まらない………。



 しかし、夜の森の中は、魔物の出現率が、昼間に比べ、圧倒的に、多く、高い…………。



 夜の闇のせいか…………色濃い影のせいか…………。



 

 ………



 いや、昼間も何も、今し方、目覚めたばかり…………。



 ここが、何処だかも、分からずに、気が付くと、走りながら、闘っていた……………。



 意図せずに、放られ、意図せずに、闘っていた……。



 今、ここに…………。



 

 「走る必要………は、無い……、か………」



 走る必要性に、思い当たる節が、無い………。



 気が付くと、走っていたのだが、この、焦燥感は、何処から、来るのか…………?



 いや、それは、あった…………。



 得体の知れぬ、影が、迫り来る恐怖……。



 得体の知れぬ、闇が、迫り来る恐怖………




 森の奥から………。



 

 最初に、倒れていた場所から…………。



 


 ……………… 




 ここに、来るまでに、



 単体の、大狼ワイルドウルフを、仕留め、



 同じく、単体の、巨大百足ムカデを、焼き払った………。



 

 …………… 



 

 後方から、何かの、声がする……………。



 

 

 ……………




 「殺す…………殺す…………コロス…………コロスッ!!!!」




 

 月の明かりに、異様な、光景が、照らし出される………。



 

 その、巨大な影………と、異臭…………。



 先刻、倒したはずの、大狼ワイルドウルフが、月の明かりを、背に受けて、巨大化している………。


 

 二階建ての家屋ほどの大きさか…………。



 人語を、話し、二本の足で、立っている…………。



 切断したはずの、首が、ブクブクと、泡を立て、繋がりかけている…………。



 異臭を、放ちながら………。



 不死大狼男ゾンビウルフォーモ………。



 

 「満月……か………」



 小さく、そう、つぶやいた…。



 そして………。



 闇夜に白々と円光を放つ月を、見やる…………。



 

 ……………




 刹那せつな……………。




 頭の中に、何かが、響く…………。




 『キーーーーーーン………………』




 「ッ痛………………!!」




 頭の中に………



 文字が…………



 鳴り響く…………




 ……………




 【風魔フウマ 刹那セツナ】…………



 フウマ…………



 セツナ…………




 




 




 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
挿絵(By みてみん)
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ