『赤鬼』
「ひぇぇぇぇぇぇ…っっっっ!!!!!ひゃうぅ…っっっ!??」
赤い流星が、夜空に『虹色』の尾を引き…。
なぜか、『人』?…と、思しき『叫び声』を発して、『東の空』へと落ちてゆく…。
ズゴオオオオオオォォォォォォォ…ン…。
一連の騒動に、ようやく終止符が、打たれたかにみえた…この夜。
静寂の中で、駆け抜けた『流星』の『叫び声』に、マナさんが、夜空を仰ぎ見る。
「あっ…。『アレ』は…っっ!!!」
全エネルギーを集中解放し、赤く燃え盛る炎の『オーラ』を身に纏わせるマナさん…。
しゃがみ込み…。
今にも、飛び出そうとしている…っっ!!!!
「ちょ…っっ!!?マナさん…っっっ!!!!」
『回復』したとは、言え…。
ようやく、『星幽体』が、定着して来たマナさん…。
にも関わらず…。
ついさっき、『大魔法』【世界の涙】で、ここにいる皆を『全回復』させ、『合成化』した人たちの『魂』を呼び戻して『肉体の再構築』まで成し遂げてしまった…マナさん。
「マナさん…っ!!ダメだよ…っ!!また、『幽体離脱』しちゃうよ…っっ!!!」
僕は、必死になってマナさんを呼び止めた。
すると…。
さっきまでの赤い『炎』のような『オーラ』を、納め…。
代わりに、気まずそうな『笑顔』で、マナさんが、僕に振り向いた…。
「あっ…、シュ…シュンタロさん…。ご…、ごめんなさい。そうですわね…。そうでした…。私…。また、『幽体離脱』…してしまうところでしたわね…」
ちょっと…。
俯き加減で…。
「うぅ…」…と。表情を曇らせる…。マナさん。
「あ…。いや。ごめん…。やっぱり…気になるよね?さっきの赤い『流星』の『正体』。ん~…。でも、僕は、マナさんの今の状態の方が、心配…かな?」
そうなんだ…。
マナさんは、この【異世界】を、『維持』させるために、普段からかなりの【魔力量】を『消費』している。
漏れ出た【異世界】の【魔瘴気】を、マナさん自身に取り込み…上手く【魔力】へ『変換』…『循環』させては、いるようだけど…。
急激な【魔力消費】は、いくらマナさんと言えども、動けなくなるほどの『星幽体離脱』を、起こしてしまうのだ。
パアァァァァ…。
急に…。『表情』を、輝かせる…。マナさん…。
「シュンタロさん…っっ!!!!」
抱き…っっ♡
「ふおおおぉぉぉ…っっっ!!!!」
柔らかなマナさんの『お胸』が、僕に『ふわり』。
マナさんの『金色』の『髪の毛』の良い匂い♡が、僕の『鼻もと』に、かかり…ふわふわ…と、くすぐる。
「ち…っっ!!おいおいおいぃ…っっっ!!!!お二人さんよぉぉ~…っっ!!?こいつらぁ…一体どうすんだよぉ~?ワラワラ湧いて出て来たぁ『一般人』をよぉぉ~…っっ!!!?」
羅那が、腕組みして『仁王立ち』…。
真っ赤に燃え盛る『赤鬼』さんに、なっている…。
羅那の『周囲』を取り囲む『物質』が、一度は、納めた『羅那の怒気』で、今にも一気に『蒸発』してしまいそうだ…。
「うぅ…。ら…、羅那…」
マナさんが、とっても嬉しい『ハグ♡』を、『ピオーネ』に負けじと…ここぞとばかりに…『むぎゅむぎゅ♡』してくれるこの上無い『状況』…。
のはずなのに…。
羅那に、睨まれる…。この上無く嬉しく無い『状況』。
うぅ…っ。気まずい…。
「あらあら…。お見苦しい限りですわね…。『嫉妬』ですか?羅那さん?私…ピオーネは、『つい先ほど』…たぁ~ぷり…シュンタロ様から『英気』を吸わせて…頂きましたからね~ぇ♡羅那さんだけ…ね?残念♡うふっ♡」
「あ!?んだとぉぉ…っっ???この、毒蠍女ぁ~…っっ!!!??もっぺん、やろうぉってぇぇのかぁぁぁ…っっ!!!!???」
羅那が、ズンズン…と。
ピオーネに、突き進んで行く…っっ!!!!!
それに対し…。『悠然』…と、構えるピオーネ…。
僕ぁ…。小さな声で、マナさんに…「ちょ、ごめんね…」と、言い…。羅那と、ピオーネの『間』に割って入る。
「シュンタロぉぉ…っっ!!!そこどけぇぇ…っっ!!!」
羅那の『怒気』が、僕の身体ごと熱く焦がす…。いや、本気で燃えてるんだけどぉぉ…っっ!!!!
ゆらゆら…と。揺らめく『炎』…。羅那さんの美しい『身体』。『赤鬼覇気』。
「どけぇ~…っっ!!!!シュンタロぉぉ…っっっ!!!!!そこどけよぉぉ…?シュンタロぉぉ…お?」