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女神マナさん!!ヘタレ勇者に恋オチしました☆彡  作者: すみ いちろ
第二章 ~大森林っっ!!夜のロアナール脱出編~
38/59

咆哮…




 「で…、でんめぇぇぇ…。シュンタロがらぁぁ…っっ!!!!離れぇやがれぇぇぇ…っっっ!!!!!!!!!!」




 『鬼神』羅那(ラナ)の足の爪先が、地面に触れた直後…。



 爆音と土埃とともに…羅那(ラナ)が、消え去る。




 「どぉぉぉぉぉぅ…らぁぁぁっっ!!!!!!どぉぅらどらどらどらどらどぅらぁぁぁぁぁぁぁぁ…っっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!」




 『鬼神』羅那(ラナ)咆哮(ほうこう)と、繰り出す『剛拳』。



 羅那(ラナ)の『スキル』【極金剛力(ダイアモンドレギオン)】による『爆風』が、辺り一面の景色を夜の『空間』ごと吹き飛ばす…っっっっ!!!!!!!!





 ドゴゴゴオオォォォォォォォォォーン…。





 何枚もの強固な『岩壁』をブチ抜き…。



 『蟲魔王』【スコルピオーネ】が、両腕を顔面に『クロス』させたまま…『十文字』に『岩壁』に、めり込む…っっっ!!!!!!




 パラリ…。



 

 『岩壁』から、割れた岩石の破片が、落ちるとともに…。



 細身の『蟲魔王』【スコルピオーネ】…の、釣り合わない大きな『胸もと』…が、ハラリ…。揺れる…。




 「フフ…。全ての打撃をかわしたというのに…。『風圧』だけで、この凄まじい『破壊力』。賞讃に値するわね…」




 美しい『真紅』の『口唇(くちびる)』…。


 月夜に艶やかに紅く輝く『光』に、一体…どれほどの『魂』が、犠牲になったんだろう…。


 余裕の微笑みを口もとに浮かべ…そのまま満月に『キス』するように…僕へと視線を送る…『蟲魔王』【スコルピオーネ】…。




 「ウフフ…。シュンタロ様…。この鬼娘より(わたくし)…『蟲魔王』【スコルピオーネ】…の方が、『愛しがい』のあること…とくと、ご覧にいれましょう…」




 またもや、『ミノムシさん状態』になって転がっている…。僕…シュンタロ…に…。


 まるで、『天使』のように…その『息吹(いぶき)』を、僕に『投げキッス』する…『蟲魔王』【スコルピオーネ】…。



 出したい時に出せない…。僕じゃなくて羅那(ラナ)を守ってほしい言うこと聴かない僕の何かの植物のような『ツル』に、雁字搦(がんじがら)めにされ…自分で自分の身動きが、取れなくなった…僕…シュンタロ…。



 

 (僕じゃない…っっ!!!!!!!守りたいのは、羅那(ラナ)なんだ…っっっ!!!!!!!!!)



 

 まだ、『麻痺毒』で、上手く(しゃべ)れない僕の心の中の声が、空しく響き渡る。



 『ミノムシ』の中で…。


 

 しかし…。


 『蟲魔王』【スコルピオーネ】に受けた『経皮吸収性の麻痺毒』が、指先から僅かに痺れを無くし…弱まっているのが、分かる。




 これは、【木の精霊王レグノス】から(もら)った【世界樹(せかいじゅ)の実】を…僕が、飲み込んで得た…『新たな能力(チカラ)』…なんだろうか…。




「ふざけんじゃあぁぁ…ねえぇぇぇぇ…っっっっっ!!!!!!!」




 けたたましく響き渡る…。


 闇夜を引き裂く…月華(げっか)の足もとで…。


 羅那(ラナ)の声より速く…。


 『岩壁』もろとも…『蟲魔王』【スコルピオーネ】…の艶やかな『肢体(ボディ)』に、突き刺さる…『(あし)』。




 羅那(ラナ)の『音速』を超える『蹴り』が、『蟲魔王』【スコルピオーネ】の『ミゾオチ』に、『直撃(クリティカルヒット)』…っっっ!!!!!!!




 貫いた…。


 

 かのように、見えた…。




 「フフ…。触れましたわね…」




 口もとから、(あか)い血液が、…ツーッ…と、流れる氷のような微笑(びしょう)…。



 その微笑みを崩すことなく、難なく羅那(ラナ)の美しい『肢体(ボディ)』を、その『美脚』ごと片手で掴み…地面に叩きつける…『蟲魔王』【スコルピオーネ】…。




 「ぐぶぅぅ、がはっっ…!!!!」




 地面に叩きつけられる際に、『受け身』を取ったであろう羅那(ラナ)の背中と胸が…揺れて…たまらず、嘔吐(おうと)する…羅那(ラナ)




 「き…、気持ち悪ぃ…。吐き気が、する毒蠍(サソリ)野郎(オンナ)だ…。お前に、叩きつけられた『衝撃』じゃねぇ…。ぐっ…、ど…毒が、回…る…」




 「あら…。さっそく、お気に召して頂けたようですわね…。(わたくし)『特製』の『経皮吸収性麻痺毒』。『鬼娘(オーガ)』の貴女(アナタ)でも、解毒するには時間…かかるかしら?」




 『致死毒』では無いものの…。


 その場に倒れ込み…動けなくなる…羅那(ラナ)


 いや…。『麻痺毒』とは言え、『臓器』にまで及べば、充分…『死』に至る…。



 『(オーガ)』は、『毒耐性』が、『強い』ような…『蟲魔王』【スコルピオーネ】…の物言いだったけど…。



 『蟲魔王』【スコルピオーネ】が、羅那(ラナ)を仕留めるには、充分すぎる状況と時間…。




 加えて…マナさんも、魔剣フーコ…も、いない。





 「ら…、羅那(ラナ)ぁぁぁ…っっっっ!!!!!!!!!!!」






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挿絵(By みてみん)
― 新着の感想 ―
[良い点] 今回は戦闘シーンだ。 毒攻撃とは、これはピンチ! さあどうなる!?
[良い点] なんてこった!シュンタロさんにラナさん!ピンチッ(;´Д`)
2021/09/22 10:25 退会済み
管理
[良い点] 今回、シリアスですね…緊迫。 やっぱり、ちょっとエロとフーコがいるくらいが 私にはちょうどいいかなあと思いました。 フーコ、ラナちゃんとシュンタロさんを助けに来てくれますかね(ToT) 完…
2021/09/22 00:34 退会済み
管理
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