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女神マナさん!!ヘタレ勇者に恋オチしました☆彡  作者: すみ いちろ
第一章 ~飛び出せっっ!!!異世界(アースラッド)降臨編 ~
31/59

郷…。




 「あ…。あったかい…」



 僕は、今…。


 羅那ラナと、マナさん本体を背負いきれず…。


 地面に、うつ伏せ状態で…。

 羅那ラナと、マナさん本体にサンドされて…寝そべっている…。



 「き…気持ち良い…」



 重みよりも…羅那ラナとマナさん…2人分の『ぬくもり』が…。

 僕の泥のように疲れきった身体を、癒してくれる…。



 「ゆ…夢のようだ…」

  


 夜のロアナールの大森林…。

 深い闇…。

 さらに…その奥地にある場所。


 


 切り立つ断崖絶壁に掘り込まれた、夜の無人の廃墟群を前に…。

 

 


 僕は…自身の疲労と、羅那ラナとマナさん本体の『あたたかさ』と『やわらかさ』に癒され…ウトウトと…眠ろうとしていた…。




 「ちょっ!!こらぁっ!!起きろ、シュンタロぉ~…っっ!!!!」



 遠くの方で…羅那ラナの声が、聴こえる…。


 

 

 うっすら…目を開けると…。


 マナさんの顔が、僕の目の前に…っっっ!!!!!???



 

 「う…。うぅ…ん…」



 マナさんが…小さな口唇くちびるとがらせて…ムニュムニュ…させている…。



 「しゅ…シュンタロ…さぁ…ん♡」



 目を閉じたまま…マナさんが、おくちを…「うぅ…」…と、僕の口唇くちびるの方へ…のばしている…。



 「ふ…ふぉぉ…っっ!!??」



 星幽体アストラルボディマナさん…!!!??

 マナさん本体の身体に…戻ったの…っっっ!!!!!?????


 

 内心…。

 何事が、起こったのか…。

 

 分からないまま…時が、流れて…。

 

 

 僕の口唇くちびるが、マナさんの口唇くちびるへと…ムチュ~…♡と、のびてゆく…。





 

 「こっ!!こらぁっっ!!!!2人ともぉ~…っっっ!!!!!!」



 羅那ラナが、上体を起こし…僕の背中に乗っかったまま…。


 僕とマナさんを…ポカポカ…っ!!…と、たたく。



 「てへへ…♡」


 

 …と、マナさんが…笑う…。


 か…可愛いぃぃ…っっっっ!!!!!!!!!!!!!



 

 「あら…。羅那ラナは、先に…シュンタロさんのほっぺに…『…キス…』したじゃない…?」



 

 ふぉぉぉ…っっっ!!!!!!!???

 …と、固まる…僕…。


 

 キス…キス…。

 ま…。

 マナさんが、口吻くちづけ…『キス』…って…!!!!!!!



 

 

 「い…。いやぁ~…。あ、あれは…。き、気持ちが…高ぶってだなぁ…。つい…」



 羅那ラナが、僕とマナさんを…ポカポカ…たたくのを止め…。

 隠すように項垂うなだれ…顔を赤らめている…。



 

 「…ま。良いですよぉ~…」



 すまし顔で、ポンポン…と身体をはたきながら…マナさんが、立ち上がる…。


 

 おぉ…っ!!!

 【魔力充填まりょくじゅうてん】が、ついに完了したのかぁ…っっ!!!!!マナさん…っっっっ!!!!!!!




 

 「それにしても…。ここは、何処ですの…?」



 立ち上がり…辺りをキョロキョロ…見渡すマナさん…。



 

 

 「こ、ここは…。アタシたち…の『住み家』だった…場所だ…」



 羅那ラナも、立ち上がり…。

 先ほどとは、雰囲気の違う口調で…言葉をこぼす…。


 

 まるで…。

 ポタリ…と、涙のしずくが、一滴いってき…。

 こぼれたようだった…。




 「3人とぉもぉ~…。仲良しぃ~…?マナシスもぉ元気にぃ…なったんだぁ~ねぇ~…。…ふぉよぉ~…?泣いてるのぉ…?羅那ラナちゃぁ~ん…?」



 暗闇の中から…。

 ピョンコピョンコ…跳ねながら…。

 一本足で、近づいて来る…。

 炎の魔剣フーコ…。


 

 僕らが、ひと悶着もんちゃくしている間に…。

 好奇心からか…冷静さからか…。

 辺りを散策して来たようだ…。

 

 そういえば…フーコ…が、「羅那ラナのお国へようこそ♡」…とかなんとか、言ってたっけ…。


 なんで、分かったんだろ…?


 なぜか…ちょっとばかり、フーコ…が、大人びて見えた。

 剣なのに…。


 

 

 マナさんも、先ほどとは打って変わって…。

 羅那ラナを、静かに…心配そうに…見つめている。



 

 

 「ぐっ…。話は…、後だ…。今日は…先に身体を休めよう…」



 そう言って…。

 

 羅那ラナは、魔剣フーコをつかみ…。

 月明かりに…美しい身体を…揺らして。

 

 静かに歩いてゆく…。



 断崖絶壁に掘り込まれた無人の『住居群』…。

 その中でも、最も大きなものへと、続く道…。

 

 

 …夜のロアナールの大森林を…遥か下に…。


 

 岩陰に刻まれた…絶壁の階段。

 

 昇る…僕ら3人の足もと…。

 

 月光が、射し込む。



 

 魔剣フーコの炎…が、階段の先…視界の奥の闇を照らす。



 静かに揺れる…羅那ラナの背中…。


 

 僕とマナさんは…。

 

 

 満月を見上げる羅那ラナに…、ついて行った…。













 


 

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挿絵(By みてみん)
― 新着の感想 ―
[良い点] い~なぁ~…私も羅那と、マナさんにサンドされたi… ピョンコピョンコ跳ねるフーコがかわいいですな~(*´∀`)
2021/09/06 20:08 退会済み
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