ランデヴ~…♡
加筆訂正致しました…m(_ _)m
「こっちだ…」
夜のロアナールの大森林…。
魔剣フーコの炎…を松明の代わりに…。
闇の先を照らし歩く…。『鬼姫』羅那。
僕は…。
マナさん本体…を背負い…闇に沈み込むように、歩いていた…。
ガクガクと…すでに震えが、来ている…。頼りない足どり…。
力の限り…歯をくいしばる。
「ハァ…。ハァ…」
時折、歩みを止めては…なんとか、羅那について行く…。
お…重い。なんて…言えない。
「どうかしましたか…?」
僕の隣で…浮いてるように?歩く?…星幽体マナさんの…この上ない微笑み…。
癒される…。
マナさんの重量感…。
いやいや…。
マナさん本体が、密着した…僕の背中の全てに…マナさんの柔らかい体温を…感じる…。
「ふもぉふごぉふ…っっ!!!!」
何か言おうとして…言葉にならない心の声…が、僕から漏れ出た…。
いや…。
良い匂いなんだ~♡
マナさん…。
鼻もとを…くすぐるように…。僕の脳を、刺激する…。
そして…。
マナさんの柔らかく…大きな…ふたつ…の…。
「はうぅぅ…っっ!!!!」
僕は…マナさんの全てを背中に感じ…。
漲る…【魔力】…というものが、僕の中で膨らんでゆくのを、感じた…。
あぁ…。
これは…【魔力】…なんだ…と。
ただの…『欲求』…ではないんだ…と。
「『欲求』…が、どうかなさいましたか…?シュンタロ…さん♡」
ニマニマ…と…。
確信的な…笑みを浮かべる…マナさん。
「あ…。いや…ぁ。なんでもないんだよ…。マナ…さん…」
気まずい…。
僕の心の中の声が…ゆれる。
まるまる漏れ出て…聞こえている…。マナさん…に。
なぜか…。
星幽体マナさんの表情が…ウットリして…気持ちよさそうにしている…。
「私…星幽体マナシス…と…マナシス本体の身体感覚…は、つながっておりますの…♡シュンタロ…さん…。お背中…とっても…気持ち良い…♡」
あぁ…。なんて…幸せなんだ…。僕…は。
「ん…? な~に…してんだよぉ~…。シュンタロぉ…?さっきから、シュンタロの…膨らんだ【魔力】が、私の『お尻』に…あたってんだけどさぁ~…。 …なぁ…『街』に着いたら…マナシス…と、私…交代…しても…良いか?」
お…『お尻』…っ!?
良いだろ…?と、羅那の顔が、魔剣フーコの炎…のせいか、森の深い闇のせいで…ひときわ…赤く見えた…。
ら…羅那…かぁ…。
確かに…。それは、それで…。
いやいや…。
そ…、それにしても…『お尻』…って!?
「うむ…」
…と、何かを決意したかのように、もう一人の自分自身へと…謎の言葉を発する。
星幽体マナさんは…、僕に憑依しているかのように…。ウットリしながら僕に…くっついている…。
心の声…が、マナさんに…気づかれていないようだ…。
…と、何処からともなく…。
…謎の歌声が、聴こえて…来る…。
!?
「抱っこぉ~。抱っこぉ~…。アタシぃもぉぉ~抱っこぉ~…♡」
歌を歌い出したかのように…魔剣フーコ…が、突然、口ずさむ…。
(抱っこじゃないっ…って!!『おんぶ』…だよぉぉ…っっ!!!!)
少し強めの…ツッコミを…魔剣フーコ…に、入れてしまう…。
心の中で…。
いや…。
ごめんね…。フーコ…。
フーコ…は、『抱っこ』…されたかったのかな…?
それでも…。
夜の森が、怖くて…。
闇に、突然に響く…フーコの歌声…に、びっくり…したんだ…。
僕らの様子を、伺うように…夜の闇に紛れた『影』たちが…。
ざわざわ…と。
僕らに…近づけないでいる…。
「案内する…」
と、言われて…。
羅那に…ついて行った。
『街』…と、羅那が、言っていたけど…。
羅那の『お尻』の件で…聴きそびれてしまった…。
果たして…、この…ロアナールの大森林の中に…『街』…?なんてものが、何処かに…あるんだろうか…?
過酷でありながらも、とっても幸せな今の状況に…。つい、我を忘れてしまっていた…。
ちなみに、『スキル』と、言うほどでも無いけど、羅那とマナさん…2人の大きすぎる【魔力】の影響で…。
『退魔拡散』と、呼ばれる現象が、起きているらしい…。
さっき…、「魔物は、現れないので、大丈夫ですよ~…♡」…とか、マナさんが、僕に憑依しながら…ウットリ目を閉じて…うふふ♡…と、説明してくれた…。
けれど…。
僕の身体全体が、すでに…プルプルと…限界…に近い…。
いくら、【魔力】…に、目覚めたからと言っても…。
マナさんは、【魔力充填】のために、僕…シュンタロ…への、【魔力共有】を遮断してしまっている…。
そんな簡単に…僕の【魔力数値の上限】…が、跳ね上がるわけじゃない…。
背中に背負ったマナさん…。
ウットリ憑依のマナさんに…。
「修行です…♡」…と、言われ…背負い続けた…30分。
勇者にしては、大したことなくても…。
僕にすれば、とてつもない…時間…。
歯をくいしばりながらも…。幸せにひたっていた…30分。
【魔力】…に、目覚めた…30分。
マナさんを、背負い…。
魔剣フーコに照らされた…闇に揺れる…羅那の『お尻』…を見つめ続けた…30分。
ウットリ♡…目を閉じてたマナさんに…悟られることのなかった…30分。
夜の闇に打ち勝ち、『欲求』を…『聖なる力』…僕の【魔力】…へと変換させた…30分。
森の深部へと…たどり着く。
出会ったばかりの…僕らの行き先…。
その場所。
切り立つ断崖絶壁に、掘り込まれた…『住居』…が、点在する場所。
かつての…『街』…。
無人の廃墟群…。
「着いたぞ…」
羅那が、握っていた…魔剣フーコの炎…を、降ろす…。
「つ~…いたっ!つぃ~たぁ~…♡羅~那…のお国へぇぇ…ようこそ♡…」
夜の廃墟群…に、響き渡る…。
場違いな…魔剣フーコの甲高い声…。
「さ、おんぶしろ…」
!?
マナさんを僕の代わりに背負い…。
羅那が…、さらに…僕の背中へと…。
むぎゅ…♡
覆いかぶさる…。
素敵すぎる羅那の圧力が…柔らかさが…。
僕の【魔力数値の上限】を、さらに…押し上げた…。
 




