野外授業!?レッスン…?
…加筆修正致しました…。m(_ _)m
「さぁ…っ!!魔物は、動揺していますわよ…っっ!!!!」
横たわるマナさん本体を、横目に…。
【星幽体】のまま叫ぶ…。腕組みして仁王立ちしている…。半透明のマナさん…。
いや…。
【阿修羅鬼王】が、動揺しているのは、幽体離脱している…マナさんのせいなんだよ…。
ミノムシ状態のまま…僕…シュンタロ…は、心の中で、マナさんに…こっそり、深く…ツッコミを、入れておく…。
心の落ち着き…。
そう…。
以前として変わらず…身動き取れない僕…シュンタロ…だけど。
なぜか…この状況下で、落ち着いている。
しかし…。
無防備で横たわる…マナさん本体の身体と…【星幽体】のマナさん…を、守らなきゃ…って、思う…。
いや…。
マナさんなら…。
例え、【阿修羅鬼王】の一撃が、直撃したとしても…無傷な気がするけれど…。
「ぐ…っっっ!!!!!!!」
身体…が、痛むし…グルグル巻きにされ…て…。
って…。
「え…っ!?」
あれだけ…。
グルグル巻きにされてた僕…の身体の中に…。
植物のツルのようなものが…。
掃除機の電気コードが、戻るかのように…シュルルルル…パシッ!…と、入ってしまった…。
「へ…っ!?」
「ぬ…ぬぁんだぁ…っっ!!!! こりゃあぁぁぁぁぁ…っっっっっ!!!!!!!!!!!!!!」
僕の心の絶叫が、鳴り止まないアラート音のように頭の中で、鳴り響く。
僕は、仮想空間における櫓に昇り、着込んだ背中に大きく『め』と書かれた法被をユラユラ、はためかせ…鐘をカンカン打ち鳴らしながら、江戸の町へと叫ぶ。
「テェヘンだぁ~…っっ!!!!テェヘンだぁ~…っっっ!!!!!」
「はっ…!?」
気がつくと…。
漏れ出た僕の心の声が、この世界に木霊している…。
草木も眠る…この美しい…ロアナールの…夜の大森林に…。
さっきまでの僕の絶叫音を、打ち消すかのような闇…。
その中で、濃い白い煙が、【阿修羅鬼王】の身体から…噴き出している…っっ!!!!!!
シュオオオォォォォォォォ…。
まるで、大量の消化器を、撒き散らしたかのようだ…。
「はっっ…!!!!」
マナさん本体…と、【星幽体マナさん】を、見失ってしまった…っっっ!!!!!!
さらに…炎の魔剣フーコ…の位置が…。ぐ…っっ!!!!!
視界を奪う盲目の白い霧…。
その中で、炎熱の業火が、凄まじい熱風とともに、吹き荒れる…っっっ!!!!!!!!!!
「こ…こっち…だ…おぉ~…ぅ…」
一瞬…。
ガクッと、膝を突きたくなるような…魔剣フーコの甲高い声…が、聴こえる…。
「ふ…フーコ…っっっ!!!!!!!!!」
僕は、慌てて…熱風吹き荒れる向かい風の中を、渾身の力を込めて、フーコへと…歩み寄る。
「ぐ…ぬあぁ…っっっ!!!!!!!」
炎熱に耐えながら魔剣フーコを、握りしめる。
「ボフっ!!!」
魔剣フーコが、得体の知れない言葉を発して…顔を赤らめるように、燃え上がっている。
「おアっち…っっ!!!熱…っっっっ!!!!!!!ふ…フーコ…ぉっっ!!!???」
「ど…どあってぇぇ…。だ…ダーリン…に、本気でぇ…だ…抱きしめられるのぉぉ…は…初めてぇ…だったんだぁ…もぉぉ~ん♡」
魔剣フーコが、隠しきれない心の『好き♡』を、大きな目玉に込めて…「バチン…っっ!!!」…と、ウインクする…。
「だ…ダーリン…っってぇぇ…!!!!!?????」
同じく隠しきれない心の動揺を、僕は…なんとか抑えつつ…。
魔剣フーコを、誤って握ってしまった感覚のない右手を見る。
「無い…!?」
しかし、視認した直ぐそばから、欠損したはずの右腕の傷口から…植物のツルのようなものが生え…僕の右手が、ブクブクと…泡立てて再生している…。
「う…うおおおぉぉぉぉ…っっっ!!!!!!ぬ…ぬぁんだぁ…っっ!!!!!???? こりゃあぁぁぁぁぁ…っっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!?????????」
本日…いや…。
今夜…2回めの僕の漏れ出た心の絶叫が、夜のロアナールの大森林に…木霊する…。
「シュンタロさん!!後ろ…っっ!!!!!」
白い濃い霧…のような靄が、晴れ…。
見失ったはずの美しい女性…マナさん…。と、もう一人…。
半透明の【星幽体マナさん】よりも、僕の眼前に迫る圧倒的至近距離に、…見知らぬ女性が、立つ…。
月の光に映し出される『影』…。
その…美しき立ち姿…。
『鬼姫』…と、呼ばれそうな…妖艶。夜の怪。
【阿修羅鬼王】から、さらに変態を遂げ…完全体へと進化した…。
【鬼子母神羅那】…。
唸り声を上げる…満月の牙…。その美顔。
想像も出来ぬほど、見る者を恐怖と悦楽の虜に陥れる奈落の谷間…。その胸部。
月光が、映し出す滑らかな陰影…。その下腹部。
ヘソが、チラリと顔を…覗かせている…。
ひとしきり…心の中…で、饒舌に語り終えた僕を、これまた…チクリと…怒気を孕ませた視線…が、背中を刺す…。
振り返ると…。
大の字で、…無言で、腕組み仁王立ちの…マナさん…。
この上ない笑顔だ…。マナさん…。
…『鬼姫』…のようだ…。




