連戦!?
シュオオオォォォォォォォ…。
「な…何だったんだ…っっ!!?」
横たわるマナさん…。燃え盛る炎の魔剣フーコ…。
植物のツルでミノムシみたいに…グルグル巻きにされた僕…シュンタロ…。
魔剣フーコの炎が、あたり一帯の暗闇を照らし出す…。
二人を吸収した…黒い半球体…は、黒炎を昇らせたあと…一瞬にして消えてしまった…。
そして…。
メラメラと…眼前に迫る怪物…。
もはや…人型をとどめておらず、複数の鬼が、何体も練り合わせられ固められたもの…。
【ヴェガ】からの【魔力】の影響を受けたせいか…、赤々と燃える巨軀から…幾体もの、牙…角…鬼面…が、生えている。
【阿修羅鬼王】…。
魔物の名前まで…。
そんなこと…。
普段の僕じゃ分からないはずなのに…。
なぜだか…分かる…。
どこからか…声…が、する…。
聴こえる…。
誰…なの…か。
「私です…」
あ…。マナさん…。
マナさん…て…!?
うワォ…っっ!!!!!!??????
「ゆ…幽体離脱…っっ!!…してる…っっ!!!?????」
赤い炎…暗闇に横たわる…マナさんの…身体を、横目に…。
僕の目の前に…半透明のマナさんが、いる…っっ!!!!!???
「で、出た~…っっ!!!!!!!!!???????」
ある意味…。
【阿修羅鬼王】より…。
びっくりした…。
「落ち着いてください…。シュンタロ…さん」
半透明のマナさんが、暗闇の中…赤い炎に照らされて…ニヤリ…いや、ニコりと…微笑んだ…。
「あ…いえ…。シュンタロさんを、驚かせるつもりは、無かったのですが…。つい先ほど…私…昏睡状態から復活致しまして…。しかし、【魔力】の回復が、追いつかず…心の中…思念伝達…で、シュンタロさんに、呼びかけようしましたら…。私の【星幽体】が…、飛び出してしまったようなのです…」
ぬおおぉぉぉ…っっっっ!!!!!!!!!!!
マナさん…っっ!!!!!!!!
生きてるんだね…っ!!!??
生きてるんだね…っっ!!!!!!!
そ…そんな身体…になっても…マナさん…。うぐ…っっ。
「大丈夫ですよ。シュンタロさん…。シュンタロさんのお察しのとおり…私…生きてますから…」
良かった~…っっ!!!!!!!
ヨカタヨ~…っっっ!!!!!!!
なぜか…片言で、心の声を上げる僕…。
魔剣フーコよりも…甲高い声…で。
しかし…。
そうなんだ…。そうなんだよ…。なぜだか…分かるんだ…。ほんの少し前から…まるで、冷静な解説者…のように…。
「それは、ですね…。私…マナシスと、シュンタロさんとの…【魔力共有】の影響です…っ!!」
時が、止まったかのように…固まっている…【阿修羅鬼王】…と、僕。
【星幽体】のマナさんが、ドヤッ!と顔を僕に向け…ニヤリ…と笑う…。
半透明のマナさんの足先が、ルンタッタ…と、軽やかにステップを踏んでいる…。
足…あるんだ…。マナさん…。




