【回想…マナシス】
「マナシス…。マナシス…」
ふと…。目が、覚めると…。
お母さん…。お母様の声…が、した…。
「お母…さん…。お母様…?」
白いベッドの上…。
【大神殿】の【想いの泉】に、輝く星。
月の光…のような…白い大理石の…床。
少し、ひんやりと…裸足の裏側に…感じる。
まるで…【想いの泉】…の上に、輝く星々のように…語りかける…声…。
懐かしさの中に…あたたかい…やさしさ…感じる。
なぜか…星々の声…が、届く度に…。
自分でも気づかない…涙…零れ落ちる。
月が、やさしく…照らし出す。
あの時…。
世界の発作的な崩壊…。
急速に広がる…浸食してゆく…『闇』。
いつの日からか…世界に…朝が、来なくなった…。
その…太陽すら覆い隠す…永遠の『夜』へ…。
この…【大神殿】から…直下に広がる『闇』へ…。
お母様…が、強大な『光』…を、放ち…世界の『闇』へ、飛び込んで行った…。
まだ…私…が、幼かったころ…。
「マナシス…。私のマナシス…。あなたと、過ごせる日は…、もう…そんなに無いのかもしれない…」
母の頬をつたう…零れる涙…。
だけど、微笑む…母の想いが、今なら分かる。
「マナシス…。あなたは…あなたには…、きっと…いつか…大好きな人が…現れるでしょう…。私…が、お父さん…と、出会ったように…。未来の扉を開くのです。いつしか…この世界を、大好きな人とともに…。私…が、お父さん…と、そうしたように…」
そう…言って…。
私…から…離れてゆく…母。
この世界の魂を、今…鎮められるのは…、アースラッドに…生まれた…母…自分しか…いないのだと。
それを、聴き…。
傍らで、力無く…崩れ落ちる…父…【神王デウス】。
「どうしようも…無いの…か」
悲しみに濡れる…父。
その頬を…、そっと…ゆっくりと…美しい…手のひらで…包み込む…母…。
「あなた…。マナシス…を、よろしくお願いします…。」
そう言うと…母…お母様…は、自らの光…の中へ…飛び込んで行った…。
この【大神殿】の直下に広がる…永遠の『夜』…『闇』…に。
母…の…『影』…を、残して…。
そして…。
この世界の…命…魂ある者たちから…『影』…が、離れ…。
光…の…魂…の…片割れ…。
魂…を、持つ…『影』…が、生まれた…。




