突如として、
ゴゴゴゴゴ…。
心の効果音かと…思っていた。
ゴゴゴゴゴゴ…!!
胸に迫り来る…心音の高まりかと…思っていた。
ゴゴゴゴゴゴゴ…っ!!!
倒れた僕の胸へと…何かが、押し迫って来る。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…っっ!!!!!!!!!!
バッカァァァァァーーーーーーーーーーン…っっ!!!!!!!!
突如として、巨大な腕が、地面から現れた…っっ!!!!!!!!
マナさんが、宙空へ…吹っ飛んでいる…っっ!!!!!!!!!!
「うおぉぉぉぉぉっっ!!!!マナさんっっ!!!!!!!!!!」
マナさん…の顔が、よく見えない…。
しかし、マナさんの五体は、全て繋がっており、バラバラにちぎれて吹っ飛んでいるわけではない。
よく見ると、マナさん…の身体が…ボワ~…っと、金色の光で包まれている…。
マナさんが、気を失っているのかは、分からないが、四肢が、ダラリと…ぶら下がっている…。
マナさん…。
マナさん…っっ!!!!!!
生きててくれ…っっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
震える、視線の奥。
マナさんより更に上空へと…吹っ飛ばされたフーコ…を、発見する。
「フーコ…っっ!!!!!!」
どうやら、魔剣フーコ…の刀身は、折れていない…。
さっきまで、炎を納めていた…フーコの刀身…が、赤く燃え上がり…光輝く。
なんとか…フーコ…は、生きてくれているのか…。
視線を戻そうとすると、身体中に激痛が、走る…っっ!!!!!
痛みで首から下が、動かせない…っっ!!!!!!!
「ぐ…っっ!!!!どうなってるんだ…っっ!!!!!!??」
もう一度、激痛に耐えながら、マナさんへ…と、視線を送る…。
すると…何か、植物の堅いツルのようなものが、マナさんの指先から…僕の方向へと…のびている…。
僕は…。
僕は、その植物のツルのようなもので、ミノムシみたいにグルグル巻きにされ…ドーム状になった…暗い何か…の中から…隙間を覗くようにして…見ていたらしい。
どうやら…ダルマみたいになっている…ようだ…。
動かない身体で、吹っ飛ばされつつも、僕は、ミノムシの中から…視線だけを動かして、マナさん…と…フーコ…そして…。
一連の事態の元凶となった…空にも昇る…巨大な何かを、見ていた…。
「グルバオオォォォーーンンンン…っっっ!!!!!!!!!!!」
大地が割れる…けたたましい音量…とともに、文字どおり、大地を割って…天に昇る巨躯が、空を穿つ…。
巨大な入道雲のような…それ。
【超巨神土人形】
遥か天空に開かれたゴーレムの巨大な5本の指先が、僕…フーコ…マナさん…を、叩き落とそうとしている…っっ!!!!!!!!
「ぐ…っっ!!身体…が…っっ!!!!動かない…っっ!!!!!」
絶対絶命の夜空に、太陽より激しく輝く白い閃光…。
満月よりも…美しい…。
光の中に…マナさんを…見た…。
一瞬。
ふわりと…白いワンピース…を、揺らめかせながら…仰向けに浮いている…マナさんの両の目が…超人のように…白く発光している…。
刹那。
身体を仰け反らせてから…逆方向へと…くの字に身を折り曲げ…、宙空を蹴って、弾丸のように…っ!ロケットのように…っっ!!飛び出す…っっっ!!!マナさん…っっっっ!!!!!!!!!!
チュドォォォォォォォォォンンンンンンンン…っっ!!!!!!!
ズゴゴゴゴゴゴゴ…っっ!!!!!!!!!!!!!
【超巨神土人形】の胸に、巨大な大穴が…空いた…。
向こうの山が…見える…。
「オオオオォォォォォ…」
ズズーン…。
巨大な質量に見てとれる巨躯からは…想像出来ないほど…軽く…その身を大地へと…沈ませ…消えてゆく…。
風が、森の木々を…通り抜け…僕らの…身体…を…軽くした…。
気がつくと…。
剥き出しになった…半径1㎞の巨大なクレーターの中央部に…。
金色に光り輝く…。
白いワンピース姿の…マナさん…が、2本の両の足で…しっかりと、立っていた…。
その隣で…。
大地に…深々と…突き刺さっている…炎の魔剣…フーコ。
そして…。
ミノムシのように…転がっている…僕…シュンタロ…。
「シュコォォォォォォォォォォ…」
深い呼吸音とともに…マナさんの口唇から…白い霧のような…呼気が、吐き出されている…。
と…。
マナさん…の…目の前で…ガクガク…震えながら…仰向けに…腰を抜かした…小学生くらいの…オカッパ頭の…小さな角を生やした女の子…が、いる…。
寒さのせいか…女の子…の…2本の足の…つけ根…お股から…白い湯気が、立っている…。
僕と…同じだ…。




