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女神マナさん!!ヘタレ勇者に恋オチしました☆彡  作者: すみ いちろ
第一章 ~飛び出せっっ!!!異世界(アースラッド)降臨編 ~
17/59

「ごっくん…。」



 「ぐおおぉぉぉぉ!!!!!!!!」

 「ぐごごごごご…っっ!!!!!!!」


 

 

 

 拝啓。

 

 皆さん…お元気でしょうか…。

 お気づきのとおり、先ほどから繰り返しております…。

 飲み込めるまで…何度でも…。

 これが、人生の…果てしない試練というものでしょうか…。


 僕は、仮想宇宙空間を彷徨さまよっております。

 

 かつてない…大好きな人との素敵な未来を想い描いて…。

 プロポーズするに相応ふさわしい…『男』…になろうと。

 無謀な挑戦を繰り広げております。

 

 リバースしては…リトライ。



 いいえ…。まだまだ、僕…シュンタロの…生まれ変わり…輪廻回数…には遠く及ばないはずです。



 涙目になりながらも、飲み込めないもの…木の精霊王レグノスからもらった木の実…【世界樹の種】…を、走馬燈を横目に…命を懸けて…今…必死で飲み込もうとしています…。


 

 もしも…。飲み込めましたならば…。

 

 僕の…最愛の人…マナシスさん…も認めてくれるはず。

 

 生まれ変わった僕が、…『男』…であることを。


 最愛の人…マナシスさん…の…ねがいに答えて…。


 

 敬具。




 

 「ふぐおおぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」


 「ぐもももももももももももも…っっ!!!!!!!!!」



 

 何かが、一瞬…煌めいた。

 星の輝き。

 僕は…頬に涙を伝わせ、巨大な星が、喉もとを通過するのを感じた。

 

 最愛の人…は、終始…笑顔で、あった。

 

 「ファイトです!!」


 森の静寂に混じり…。

 遠くから…甘酸っぱい…さくらんぼ…のような黄色い声援が、きこえる。

 

 苦し涙が、嬉し涙に…変わる。


 最中さなか


 時折、しょっぱい声が、混じる。


 「ファっ…。げぼ…。ファイトぉっ…でっ…すぅ~…ぅ…ひっく…ぅっ」


 …と、たどたどしい…カタコトのような…酔いそうな甲高い声が…きこえる。



 あぁ…彼女もいたか…。人のように…魂を持つ剣…。

 炎の魔剣…フーコ…。




 

 「ごっくん…。」




 星が流れた。

 それは、まるで、一瞬の出来事。

 僕の胃袋へ…ようこそ…。




 

 「おめでとうございます!!」

 

 「お…おめ…おっめ…おめでっとぉ…ござまぁ~…すっ!!」

 



 耳もとから…懐かしい声が、きこえた。


 口もとから…ヨダレ…が、流れ出てる…。


 ひっく…。


 ぴく…。


 あぁ…。クルミ…。レグノスの…木の実…。


 通過したんだ…。ありがとう…。世界樹の種。


 ようこそ…我が…いや…僕の胃袋の中…へ…。




 「良かったねぇ~。おめでとう!!」


 倒れた僕の目の前で、名も無い花が…笑いかける。


 

 !?



 「いや~…。どうなるかと…ヒヤヒヤしたよぉ~…」


 

 !?



 

 あり得ない。


 耳を疑う。


 マナさん…でもなく、フーコ…でもない。


 聴いたことない…声。


 まるで…夢の中で…話しかけるように、聴こえて来る…。



 「誰…っ!?」


 

 気絶しかけてた僕は、急速に目覚める。


 意識も、はっきりしている。


 身体が、みなぎる。


 大地の生命力…というか…星の生命力…を感じる。



 

 「驚きましたでしょうか…。シュンタロさん。それが、レグノスの木の実…【世界樹の種】の力…です!!」



 ふほぉ…っ!!


 ぐおぉぉ…っっ!!!!



 僕の吐く息が、…呼気とともに…濃く深い霧のようなもやを宿らせる。



 メキメキ…っ!!

 と…、大樹が、その幹を急成長させるかのように…身体中が、急速に若返ってゆく…っっ!!!!



 って…通り超して…赤ちゃんになりはしないかい…っ!?

 …っていうほどの急速なエネルギー…っっ!!!!!!

 

 

 

 僕は…、寝返りを打ち…四つんいになって…ハイハイをする…。


 立ち上がり…。2本の両の足で、大地を踏みしめる…。



 ゴゴゴゴゴゴゴゴ…。



 地鳴りが、する。


 心の効果音かと思ったが…。


 どうやら、そうではないらしい…。


 

 「ふおおぉぉぉ…っっ!!!!!!」



 僕の身体が、一瞬…スーパーマッチョ…になった。



 「ふおおぉぉぉ…っっ!!!!!!」



 かと思えば…。急速に縮んでゆく…。


 

 「ふおおぉぉぉ…っっ!!!!!!」



 今度は、風船のように膨らみ弾けそうになる。



 「ふおおぉぉぉ…っっ!!!!!!」


 

 そうかと、思えば…また、急速に縮んでゆく…。


 

 「ふおおぉぉぉ…っっ!!!!!!」



 「がふっ…!!!?」



 僕は、再び倒れた。


 キラーン…。と、魔剣…フーコ…の刀身が、光る。



 「シュ…シュンタ~ロ…ンタロ…み…みっってぇ~…」



 僕の隣で添い寝する魔剣…フーコ…。


 刀身をウフン♡…と光らせる。


 大きな真ん中の一つ目玉をパチクリっ!!ウインク…っっ!!!??



 フーコ…の刀身に映る…。

 いつかの細い腕。

 初々しい…ツルっツルの白い肌。

 あどけない…少年の顔。



 ゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!!!!!!!!!


 地鳴りが、する。


 胸の鼓動が、押し寄せる。


 気がつくと…。


 



 「僕は、15才に、なっていた…っっ!!!!!!!!!!!???」












 

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挿絵(By みてみん)
― 新着の感想 ―
[良い点] ごっくん。に至るまで、一緒になって、こちらも息苦しくなりました(´▽`)(笑) シュンタロおめでとう! [気になる点] シュンタロさんの元年齢が気になりますな~( ´∀`)
2021/08/21 05:09 退会済み
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