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女神マナさん!!ヘタレ勇者に恋オチしました☆彡  作者: すみ いちろ
序章 プロローグ2  ~もうひとりの【自分】~
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【ヴェローナ=ガラテア】!!

 「ゴオオオオオオオオォォォォォッッッッッッッ……………」


 

 女の背後の黒い球が、燃え広がる炎の全てを、喰らい尽くす……。



 今まで、昼間ほどに、明るく見通せた空間は、この森本来の、静けさと、漆黒に落ちる森の闇の深さを、取り戻した……。



 「はじめまして……。刹那……。私は、【ヴェローナ=ガラテア】と、申します……。お気付きでしょうが、アナタへの殺意は、微塵も、ありません……。アナタと、同じく、【影】…の力を使う者……」

 


 感情は、分かる……。



 先ほどまでの好戦的な、態度を翻して、手の平を返したかのように、オレへと、言い寄る………。



 女は、【影】を操るというが、本人に実体は、伴う……。


 

 女の身体の更に内部、深部中央付近に、温度の上昇を、感じる……。


 

 つまりは、感情の変化……。


 

 現在のオレ自身を構成する条件の内、彼女が有用と判断した要因が、劣勢に変異しない限り、しばらくは、信用出来そうだ……。



 オレは、この女、【ヴェローナ=ガラテア】が、オレを呼ぶ名…しか、知らない……。



 刹那……



 セツナ……。



 「一緒に、来て頂けますか……?」



 女が、再び、そう、オレへと、問いかける……。



 「いいだろう……」



 オレ自身の『記憶』というものが、無い。



 言葉は、話せるが、まるで、ここに、存在している感覚が、無い……。

 いや、無いというよりは、『薄い』……。


 

 『希薄』……。



 オレは、この世界と、自分自身の、手掛かりを、つかむため、女と、行動を、共にすることに、決めた……。



 何かに、繋がりそうで、想い出せない……。



 しかし……。



 「来て……」



 【ヴェローナ】が、背後に開けた黒い空間の穴へと、手を差し伸べて、オレが、来るのを、待ち望んでいる………。



 吸収は、されはしない……。



 女、ヴェローナの感情が、悦びに、満ちているからだ……。



 やがて、誘われるがままに、導かれ、漆黒の闇の空間へと、入ってゆく……。



 ヴェローナと、ともに……。



 

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挿絵(By みてみん)
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