天地創造
創造主・セフィロトを主に、
調停者に出てくる「この世」について少し書いてみました。
本当なら「番外編」のシリーズに入れるべきなんですけど・・・
まぁ、書いた時期が悪かったということにしておいてください。
かつて、この世は「存在」の概念だけだった。
「無」と呼ばれる世界。
数多のエネルギーが混ざり、混沌に満ちていた。
そんな世界に、一つの意思が生まれた。
名前などはない。
その意思はエネルギー以外何もない「無」に退屈した。
(エネルギーを、作り替えられないだろうか)
そう考え、その意思は活動を始める。
まず、エネルギーの運動を基盤として、「時間」と「空間」を創造した。
さらに混ざりあうエネルギーをもとに、「物質」を生み出す。
その物質は、漂いながら少しずつ集まる。
そして、「陸」と「海」が生まれる。
意思はその「陸」にそっと降り立つ。
そして一部の物質を使い、2体の生命を生み出す。
自らの「意思」を元に「自我」を生み、2体に与える。
支配者として、神族の祖を。
軍事力として、魔物の祖を。
その2体は配下や眷属を生み出し、勢力を増強した。
しかし神族も魔物も、強すぎた。
そこで意思は、さらに2体を生み出す。
弱く矛盾を持つが団結を司る、人間の祖を。
意思は「種族の始祖」となる4体に名前を授けた。
神族の祖にはゼウスと。
魔物の祖には始祖龍と。
人間の祖にはアダム、イブと。
名前によって4体につけた自我が定着した。
そして彼らは、「意思」に呼び名をつける。
「生命の樹」と。
セフィロトはその名の通り、周囲の物質を取り込んで
樹の姿で顕現する。
しかし、その力はあまりにも膨大で、制御の難しいものだった。
そこでセフィロトは考える。
(自分の力を、十分の一未満に抑えるためには・・・)
そして彼(彼女?)は結論を出す。
「意思の力」はそのままに、自分を11体に分割した。
人間に近い姿で、10体の意思が顕現する。
1体を「樹の守護者」として顕現した樹の中に残し、
自分の本体ともいうべきその樹は、10体の中に分割して封印した。
自分で創り出した世界を壊さぬように。
再び「無」で退屈することがないように。