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ルビコン川の英雄

作者: こたつむり

眼前には川がある。


渡ろうと思えば、簡単に渡れるような川が。


しかし、その川が万の軍勢を足止めしていた。


この川に流れるただの水に足を踏み入れるということには、それだけ大きな意味があるのだ。


だが、カエサルの心は決まっていた。


だから、一片の迷いもなく言葉を紡ぐことができる。

「私はこれからこの川を渡り、ローマヘと攻め入る」

カエサルは一拍置いて、一同を見回す。


そして、続ける。

「私は、今の元老院のやり方を認めることはできない。くだらない権力闘争に明け暮れ、財を貪り、功ある者を退け、おもねる者を取り立てる。民は今、疲弊しきっている」


沈黙が辺りを包む。


皆カエサルの言葉に聴き入っているのだ。


「私は元老院の専横を、これ以上許すことはできない。このような者たちを退け、民に安息を取り戻し、真のローマを取り戻すことこそが、私の野望だ」ただのきれいごとに聞こえるような言葉だが、カエサルの言葉には、それを信じさせる確かな力が、強い力があった。


だからこそ、普段ならこんな言葉など鼻で笑って全く聞こうとしない荒くれ者たちも、静かに聴き入っているのだ。


そして、彼ならできる、きっと成し遂げる、そう信じさせる何かが、そこには確かにあった。


「私がこれからこの川を渡るのは、ローマ市民の為でも、ましてやお前たちの為でもない。ただ、ただ私自身の野望の為だ。それでも、私についてくる気はあるか」


カエサルの問いに、歓声が答える。


ルビコン川に足が踏み入れられる。


もう後戻りはできない。


するつもりもない。


そう、賽は投げられたのだ。


軍勢は一気にルビコン川を渡り、一路ローマヘと向かう。


誰よりも強く輝く男に導かれて。

ども、こたつむりです。拙い文章で申し訳なく思います。最も愛された英雄がその時何を想ったか、をテーマに書かせていただきました。何か感じていただけたでしょうか?感じていただけたなら、幸いです。まだ書くつもりがあるので、よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] いつの世でも人間断を下すというのは勇気がいるものです。ローマの歴史の中でも最も重要な瞬間でしょう。こたつむり先生も執筆頑張って下さい。
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