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今日から学校と仕事、始まります。②莞

ダブルシャドウ

作者: 孤独

出会った場所は無人となった、廃村。

女と女が拳で向かい合うのだが、双方共に瓜二つの姿をしていた。

呼吸もあっている事は偶然ではない。


「ふーぅ」

【ふーぅ】


戦い。

肉体を使った肉弾戦、不思議な力を用いた魔術戦、生命の追求によって最善最新が生んだ科学。

無差別というランクを設定すると、必ず出てくると言える強者の能力と言えるものがある。

”コピー・模倣・分身”

特殊でありながら、誰しも浮かぶシンプルで汎用性もある強い能力。


格闘専門とする山本灯本人をして、こうしてこんな力と相対すると気分が悪いでしかないもの。

自分と色合いがちょっと違う、自分が今日の対戦相手。

自分の敵は自分だって事がホントに起こった、今日のベストバトル。


「あんたさぁ」


両者、息を合わせたように中腰となって、半身の体勢をとる。重ね合わせて来る真似っこ。

まだ間合いではないが、両者の踏み込みで激しい力のぶつかり合いになる。灯と、その相手の構えは防御に薄く、攻撃と回避、奇襲に向いている。

攻撃重視に意識の強い灯らしさ。


不細工ブサイク過ぎない?」


軽い挑発をかました。

だが、それ以上に自分の分身と名乗ろうとするものが、灯自身からしてそんな気持ちでしかなかった。

再現不十分?元々、お前がそれ系なんだろって、言い返すべきなんだろうか。

灯の分身はそんな軽い挑発を、灯の意識のままに返す。

構えた拳をさらにギュッと握って、足腰を強く踏ん張りつつ。心と口が


【あんたの方が】


反論。とても安い反論。

そんな僅か過ぎる、肉体の力みを本体が鏡よりも正確な自分を見ている灯からしたら、その屈辱よりも重たい事実に、現実を教えるもの。

灯の踏み込みはもう始まっており、拳はすでに勢いを乗せて、自分の分身の射程に入れていた。

自分と同じ、自分の劣化だとしたら、これで終わり。自分の肉体はここから回避や防御、受け身もできないと限界を示している。



ドゴオオオォォォッ


言葉通りの挑発は宣言となり。

灯の分身は顔面に直撃した一発で、惨く酷い顔となった。灯として、自分の顔を殴るというのはやはり気分が悪い。でも、それは今日から、


「今日、あたしを始めた奴がさ。生まれてからあたしをやってる奴に勝てるわけないでしょ」


もっとも、こんな挑発なしにやったとしたら。それはそれで面白い事だったし、逆にやられる事もある能力なのだから……手強いとは思っている。

でも、自分と対峙するのだから。自分を知ってりゃいい強さで対応できる。


「あたしを真似るんだったら、あたしより弱い奴を虐めるべきね。あたしに挑んでどーすんのさ?」


それは正論だと思う。

誰かと同等近く強くなれると言っても、超えている事は難しい。ならば、それよりも弱いところでイキていれば、最強・無敵と自負できただろう。

だが、そんな飾りでしかない場所に、灯はいるつもりはない。もっともっと、たかみにいきたい。そう望んでいる強さに限界を決めていない。


「ま、偽物ニセモノだし、しょうがないか」


灯は確かに倒した。

しかし、今倒した自分自身は本体の分身と言えるもの。

コソコソと本体は隠れていながら、敵のコピーを生み出し、戦わせる能力。


”ダブルシャドウ”


と呼ばれる魔術だ。

まぁ、分身がいないのだから。灯もフリーなため。優位は変わらず。


「結構遠くでやる能力じゃなさそうだから、隠れてたら引きずり出して、殴り壊すまでよ。沢山出せないし、すぐに出せないでしょ」

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― 新着の感想 ―
[一言] なんでしょうね…この「置き去り感」は。 読者に読んでもらう事を前提とせず、作者が書きたかった事を十全に描けていない気がします。 設定が理解できないどころか、主人公の名前すら読めない駄目な読…
2019/12/06 23:57 退会済み
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