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暁弔の末路  作者: 暁雪
【花笑みの教会】
29/34

【残桜−4】

[火葬台]

噴水広場の中心に置かれた、白い花のオブジェ。中心には淡い青紫色の焔があり、死穢の溜まったコフィンを燃やす事ができる。

街を舞う灰は、此の火葬台から来ている。



ゆらり、ゆらりと、淡い青紫の焔が、白い石造りの花の上で揺れている。

「·······」

焔は、私の背を超す程燃え上がっているのにも関わらず、熱は全く感じない。

むしろ、僅かにひんやりとした冷たさを感じる。

そんな不思議な焔の中に、ドス黒くなったコフィンを投げ込む。

「よいしょー」


ドサドサッ……


焔はコフィンを入れても少し大きく揺らめくだけで、普通の火と違ってとても静かだ。

火の粉を散らすこともせず、唯ひたすらコフィンを白い灰に変え続けている。

青紫色の、熱を感じない焔····

『火葬台』とは、とても不思議なモノだ。

まぁ、此処に来てからは逆に不思議じゃないモノに出会う方が難しいが。

「えーい」


ドサドサドサッ……


「·······」

「いやぁ、随分溜め込んだなー。燃やしても燃やしても全然減らないよ····」

火葬台の焔は、いくらコフィンを投げ込んでもすぐにコフィンを飲み込んで、あっという間に白い灰にしてしまう。

まるで、掃除機の様だ。

面白い程どんどん燃える。

「どっこいせー」

「········」

ちょっと楽しいかもしれない。

ハマりそうだ。

足元に白い灰が積もる。

靴越しに感じる灰の感触は、まるで雪の様で心地良くてクセになる。

「やー」

····だが、須賀さんの掛け声に少々イラッとする。

其の掛け声は本当に必要なのか。

もう少し静かにして欲しい。

·····今度からは出来たら1人でやりたいと思う。


















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