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暁弔の末路  作者: 暁雪
【花笑みの教会】
27/34

【残桜−2】


寝間着ジャージから生前の黒いセーラー服に着替え、脱いだ寝間着ジャージを畳んで寝台ベッドに置く。

因みに、黒瀬さんと須賀さんは、私が仮眠室ココで寝るようになってからは、別室に寝台ベッドを移し其処で眠っている。

何だか申し訳ない。

スカートのポケットにスマホを入れてから、「髪は女の命よ!!」と言いながらヘレナさんがくれた、お高そうなヘアブラシで寝癖を直し、身支度を終える。

其れ以上の事はしない。

面倒だ。


          ❅


「あ、オハヨー夜深ちゃん!怪我の具合はどう?」

オフィスに入ると、須賀さんがヒラヒラと手を振りながら挨拶をしてくれた。

·····かなり独特な体勢で。

「お早う、御座います。傷はもう治りました。」

「そっか〜、なら良かった。」

「······」

須賀さんは現在、ソファーの背もたれに両脚を引っ掛ける形で逆さになっており、いつも通りヘラりと薄い笑みを浮かべている。

·····何があったら其の体勢になるんだ。

また黒瀬さんにちょっかいでも出したのか。

「あ、体勢コレ?いやぁ、貴仁君に「おっはよ~、今日は僕の方が早いね!」って言ったら、ブン投げられちゃって······」

「······はぁ」

なるほど、地味にイラッとくる。

「其れでね、どうやら打ちどころが悪かったみたいで、背骨がポッキリ····」

背骨····痛そうだ。

其れでも笑顔な須賀さんが怖い。

いや、目が細いからそう見えるだけか?

「んで、今貴仁君に此処に引っ掛けられてる状態!」

「·····そうですか。」

「えぇ〜?何か反応薄いなぁ·····」

どう反応しろというのだ。

困る。 

須賀さんは少しづつソファーからズリ落ちており、此のままだと頭をテーブルにぶつけそうだ。

「あと、10分ぐらいで、治りそう、なんだけどね、流石に此の体勢を、1時間も続けてるとね、そろそろ腕とか、色んなトコロがキツい·····」

·····1時間もこんな体勢してたのか。

大丈夫か此の人···もしかして、ドM?

いや、背骨が折れてるから下半身が動かなくて、体勢を変えられないのか。

イテッ!」

あ、完全に落ちた。




須賀さんは10分後、宣言通り背骨を治し後頭部を抑えながら起き上がった。

仮にも大人なのに、こんなんで大丈夫なのだろうか。







          









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