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暁弔の末路  作者: 暁雪
【花笑みの教会】
26/34

【残桜−1】

[花笑はなえみ]

花が満開に咲く様子。または、花が咲いた様に笑う様子。花=桜

[残桜ザンオウ

桜のシーズンが過ぎても咲いている桜の事。


ーーー『静寂』の夢を見た。

廃工場の時とは違い、何も聴こえずとても静かだ。

此の世界に来てから頻繁に見る此の夢は、何か意味があるのだろうか?


          ❅


静かな夢の中から、意識が浮上した。

常に薄暗い空は、比較的明るくなっており、淡いオレンジ色に染まっている。

「·······ん。」

朝、か。

今何時だ?

結構寝ていた気がすんだけれども····

部屋の奥に掛かる時計を確認すると、7時半を指していた。

確か、10時頃に寝たから····9時間半寝てるな私。

ちなみに、廃工場で負った怪我は大した事なかった。

黒瀬さんいわく肋骨にヒビがはいってたらしいが、内臓に損傷は無いとのこと。

其れよりも、擦り傷が服に擦れたりして痛い方が私としては重大だった。

痛い、地味に。

ふとした時に擦れて痛い。

まぁ、もう治ったから関係ないけれど。

「·······」

脚に貼ってある湿布を剥がしてみると、昨日の痣はキレイに治っており、身体の何所どこにも痛みはない。

·····傷の治りが早いって本当なんだな。

以前須賀さんが言っていたが、私達は普通より傷が治るのが早くいらしい。

そして、死ぬ時に身に着けていた衣服や持ち物も、身体からだの一部として再生されるのだとか。

そんな都合のいい事が····と思っていたが、傷は完治しているし、昨日の時点で割れたスマホが復活していた。

どうやら、本当の事らしい。

何という非現実さ····!

まぁ、今更か。

·····そういえば。

以前須賀さんが黒瀬さんに蹴り飛ばされた時、私とほぼ同等な傷を負っていたが、すぐに治っていた気がする。

個人差があるのか?

それとも、私より此の世界に長く居る所為せいなのか?

時間や経験で治癒力が上がるなら、私も早めにそうなっておきたい。

今後の為に。

後で、須賀さんにいてみよう。

其れよりも、

「····早く着替えよ。」

いつまでも寝間着ジャージのままでいるワケにはいかない。

もうすぐ8時だ。






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