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暁弔の末路  作者: 暁雪
【花笑みの教会】
25/34

【拝啓君へ−4】


ーーー君が消えて4日後、君の死が高校の生徒達に伝えられた。


「······宵月ヨイヅキさんって、何で死んじゃったんだろう?」

「自殺らしいよ。」

「マジ?まぁ、しそうな顔してたけど。」

「それなー」

「ちょっと、止めなよ男子!!そういう事言うの!」

「そ、そうだよ····グスッ···クラスメイトなんだよ?」

「はいはい、悪かったって!」


クラスメイトの反応は、噂話のネタにしたり、他人事として余り気にしなかったりと、皆それぞれだ。

涙を流す人も居たが、みな共通に彼女の死を心からいたんではいなかった。

「·····葬儀は、親戚のみで行うそうです。」

其れは、担任ですらも。

其れどころか、何処か面倒臭そうな雰囲気すら感じた。

クラスはいつもよりうわついており、其の原因が宵月の死なのだと思うと、ゾッとする。

そして同時に、競り上がって来るような憤りを覚えた。

仮にもクラスメイトが死んだのに、どうして此んなにも、此んなにも·····?

俺は机の下で、密かに拳を握り締めた。

今にも溢れそうな、怒りを逃がす様に。

強く。

「······」

·····落ち着け、俺。

確かに、彼等の反応はある意味当然なのだ。

大して親しくもない人物が死んだところで、他人事なのだろう。

そう、当然なのだ。

彼等にとって彼女は、そういう存在なのだ。

そう、そうなんだ。

そういう事に、しておこう。

でないと、俺がどうにかなってしまいそうだ。

「····では、時間になりましたので授業を始めます。」

「起立!」

君が消えて5日。

今日も、多くの人にとって平穏な1日が始まる。

君の居ない、平穏な1日が。




ーーー俺だけは、君をおもっていたい。

此の想いは、君に、届くのだろうか?














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