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暁弔の末路  作者: 暁雪
【片羽の天使】
24/34

【ーーー1】

【ーーー】は、三人称で夜深(と雨宮)以外の場面です。


少し薄暗いように感じる元オフィスには、普段より沈んだ空気が流れている。

オフィスのソファーには黒瀬が腰掛けており、其の向かいには、須賀が寝そべっている。

ヘレナの姿は無い。

両者口を開く気配は無く、第三者からすれば、かなり居辛いづい空間である。

「·····夜深は」

「夜深ちゃんなら、もう休んでるよ?」

「そうか。」

其の沈黙を破ったのは、珍しい事に黒瀬であった。

しかし黒瀬の声はいつもより僅かに低く、須賀の口調もいつもより大人しい。

まぁ、こんな空気になるのも仕方が無い。

昼間にあんな事があったのだから。


ーーー『死穢しえ』の濃度が突如上昇。そして、同時変異。


今回は、夜深も居るからと濃度の低い場所を選んだ。

其れにも関わらず、変異が起きた。

しかも、同時に2ヵ所で。

加えて、夜深が相当酷いというワケではないが、かなりの怪我を負った。

「·····今回の件、お前はどう思う?」

「んー、詳しい事は分からないけれど此処最近で、『死穢』の濃度が上昇してるのは確かだよ。」

今回の件は、明らかに異常。

此れが、2人···否、ヘレナも含め3人の考えだ。

たまたま運が悪かったのでは無い。

何かが、起きている。

「······そうか」

「ヘレナさんからの資料によると、此処最近の濃度は戦後以来の濃さみたい。」

「·······」

戦後。

戦争中に多くの命が失われていた故、『死穢』の濃度が高いのは分かる。

だが、何かと物騒とは言え平和な現代で、此処まで死穢の濃度が濃いのは説明がつかない。

「····もしかしたら、夜深ちゃんが此の世界に来たのも、今の状況が関係あるかもしれないね。」

「·····そうだな。」

暁の刻は曖昧だ。

今まで集めたデータを見ても、暁の刻に自殺をした人間が、全員此の世界に来たワケじゃない。

ならば、死穢の濃度など何らかの関係性をもって此の世界に来るはずだ。


しかし、真相はまだまだ分からない。

唯、此れ以上何もない事を、祈るばかりである。







[暁の刻]

午前2〜5時くらい(という設定)。

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