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暁弔の末路  作者: 暁雪
【片羽の天使】
16/34

【死穢−3】


コッ…コッ…コッ………

擦り切れたコンクリートの床に、革靴のやや高い音が響く。

「わぁ、今回は随分とホラー感出てるね〜」

確かに。

まぁ、場所が場所っていうのもあるが。

此処は、何処かの廃工場。

死穢しえの溜まっている場所は、喫茶店カフェにある掲示板によって知らされ、基本は自主的にではなく掲示板を見て行くのだとか。

「どうするー?貴仁君、ゾンビとか出ちゃったら。ビビっちゃう?」

「······馬鹿言ってないでとっとと進みやがれ邪魔だ。」

「そんなぁ〜」

廃工場に入って暫くすると、退屈になってきたのか須賀さんが黒瀬さんをおちょくり始める。

毎度毎度懲りない。

そういう趣味なのだろうか?

······そろそろ止めておかないと、

ゲシッ

「ぐふっ」

黒瀬さんに蹴られると思う。

もう遅いか。


          ❅


「じゃあ、僕達は濃度の濃い奥に進むから、夜深ちゃんは此処で回収してて。」

「·····此の程度の濃度なら、変異する事はまず無いはずだ。」

錆びれたコンテナの並ぶ倉庫で、須賀さん達と一旦別行動をとる事になった。 

どうやら、死穢しえは濃度が濃くなると、『変異』するらしい。

詳しくは分からないけれど。

「其れにしても、今回は随分と濃いね。」

「あぁ。」

そうなのだろうか。

倉庫には黒いモヤ···死穢しえが広がっており、数メートル先は殆ど見えない感じになっている。

私にはまだ基準が判らないが、二人が言うのならそうなのだろう。

「多分大丈夫だと思うけど、何かあったら公衆電話の所まで退いてね?」

「はい。」

「死ぬ事は無いけど、怪我しちゃうと痛いし。」

だったら、黒瀬さんをおちょくるのは止めたらいかがだろうか。

やっぱりそういう趣味なんじゃ······

いや、深く考えるのは止めておこう。

「·····30分後、此処で落ち合う。夜深は此処から出ない事。以上」

黒瀬さんの言葉をキッカケに、私達3人は散っていった。

····問題無く終える事が出来ると良いのだけれど。








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