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暁弔の末路  作者: 暁雪
【片羽の天使】
15/34

【死穢−2】


3時間後。

時計の針は6時をまわり、外は真っ暗だ。

「いやー、酷い目に遭った。」

須賀さんはいつの間にか復活しており、ソファーに転がって伸びをしている。

そして、傷は衣服の損傷もろとも回復していた。

「·····いい加減懲りやがれ。」

「そんなぁ〜」

どうやら何かやらかしていたらしい。

須賀さんはどうして黒瀬さんをおちょくり続けるのだろうか。

止めておいた方が身のためだろうに。

「······ッたく、今日は現世むこうに行く日だってのに、面倒な事させやがって。」

「そんな事言って楽しんでるクセに〜」

「あ?」

現世むこう·····?

つまり、生前の世界の事だろうか。

現世へは、街の何ヶ所かにある『白い電話ボックス』へ行きたい地域の電話番号を打つ事でトぶ事が可能らしいが、まだ私は其の様子を見た事が無い。

つい最近死んだばかりだというのに、現世むこうに居たのがかなり昔の事のように感じる。

「夜深ちゃんも連れてくんでしょー?」

「あぁ。」

ぇ、私も······?

いきなり大丈夫だろうか。

まだまだ体術も翼の扱いも慣れていない。

行ったところで足手まといにしかならない思うが。

「·······って事で、今から向こう行くけど大丈夫?」

かれても困ります。」

回収の方法は聞いたが、まだ詳しい内容は分からない。

其れに、死穢は唯気体のように漂うのではなく、変異して生き物の様になるという。 

そんな死穢相手に、自分は何か出来るのだろうか。

出来れば、もう少し力をつけてからの方が望ましい。

「んー、そっかぁ。まぁ、何事も経験だよ!」

「········はぁ、そうですか。」

拒否権なしか。

まぁ『決まり事』だしな。早めに詳しい事を知っておいて損はない。

其れに、早く2人に頼らず自立出来るようにならねば。


ーーーまだ分からない事だらけの此の世界で、限りなく完璧に近い、『静寂』を得る為に。










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