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暁弔の末路  作者: 暁雪
【片羽の天使】
14/34

【死穢−1】

[死穢しえ

 主に陰陽道で用いられる言葉。死の穢れの事をいう。昔は死は伝染すると信じられていた。


あれから3日が経った。

其のかん私は、黒瀬さんに回避術や受け身などの体術を教わりつつ、『翼』を扱う練習をした。

翼は、飛べなくても身体の回転を利用することで落下速度を大幅に落す事が出来る。

まだ3枚の翼を別々に動かす事は出来ないが、簡単にならある程度様になってきた。

しかし翼に目立った変化は見られず、相変わらず情けないままだ。

······何故こんなにも貧弱な翼何だろうか。

因みに身体に変化が無いので、変化恐らくⅠ型なんじゃないかと私は思っている。

それと、分かった事がもう1つ。

『身体の重さが殆ど無い』という点だ。

筋力は其のままに、重さだけが異常に減っている。

だから少し力を入れて跳び上がるだけで、3m程跳躍事が可能なのである。

しかし此処で勘違いしてはいけない。

軽くなっただけで、其れ以外は其のままである事を。

うっかり調子に乗ると、モノにぶつかって仮初のお釈迦になってしまう。

私達は死んでいる。

故にもう此れ以上死ぬ事は無い。

つまりは1種の不死身アンデットなのである。

トラックに撥ねられようが、高層ビルから紐なしバンジーをしようが、唯々痛いだけだ。

一向に死ねない。

死ねるなら寧ろ積極的に事故りたいが、死ねないならそうもいかない。

······慎重に行動せねば。

「きゃー」

ガッシャァァァァァァン!!

黒瀬さんの蹴りにより向いの雑居ビルに突っ込んだ須賀さんを横目に、私は密かに思ったのであった。











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